2. 豚
1頭当たりの価格は、肥育用の1.5ヶ月齢の子豚で35$程度。よい雌豚は繁殖用になるので、同じぐらいの月齢でも80$位する。タイから大きな豚を輸入すれば、700−800$位(カンダール州にいるらしい)。死んだ豚でも15$程度で肉屋が買ってくれる。死んだ豚は肉としては売れないので、豚の丸焼き(チュルク・クワイという、屋台にぶら下がっているオレンジ色のつやつやした姿焼き)になる。この豚の丸焼きのほとんどは、何らかの理由で死んだ豚という話もある。
レンガ造りの豚舎。古タイヤを利用した水入れ。水入れを置いてある農家は珍しい。(カンポット州)
木で作られた豚舎。やたらと通気性がよいタイプ。(クラチェ州)
庭先で数頭を放し飼いにしたり、木の小屋に入れたりして飼育している農家が多い。プノンペン近郊には数百頭単位で、日本と似た様な豚舎で肥育をしている企業経営の農家も現れている。
木の板で囲われた豚舎。木の餌箱が左下に見える。(カンダール州)
かなり広々と大きい豚舎(タケウ州)
繁殖用の雄豚。小屋はなくつながれていただけ。(クラチェ州)
豚舎の外観(タケウ州)
豚も牛と同様、交配は本交で行われる。繁殖適期の雌を雄のところへ連れて行ったり、雄に来てもらったりして交配するというのは牛と同じであるが、豚の場合、雌から生まれたうちの1頭を雄側にあげるのが交配代になる。
「チュルーク・バー(雄豚います)」の看板。ここにお願いして、雄豚を連れてきてもらったり、雌豚を連れて行ったりして交配する。(カンダール州)
豚舎の外観。家と続きになっているタイプ。(カンダール州)
豚舎の外観(クラチェ州)
豚舎の外観(クラチェ州)

子豚は自転車やバイクの後ろにくくりつけられた竹製のかごに入れられて売られる。繁殖用に雌豚を飼い、子豚を生ませてそれを肥育する人に売る農家と、繁殖用の豚は持たずに、生まれた子豚を買って来て、肥育して市場へ出荷している農家がいる(もちろん両方する人もいる)。

子豚運搬用の竹かご(プノンペン)
子豚運搬用の竹かごを後ろにくくりつけたバイク。(カンポット州)
餌はごはん、ぬか、購入した配合飼料(主にタイ製)、空芯菜、バナナの木の皮など、水をたくさん加えてどろどろにした状態で与える。プノンペン市内の食堂などで見かける、ごはんを炊いたなべの底をはがして乾かしたものは、豚の餌として農家に売られる。
ごはんととうもろこしを水で溶いたえさ(カンポット州)
ペレット状の配合飼料と粉末状のものはぬか(カンポット州)
店先などでよく見かけるご飯を炊いたなべ底をはがしたもの。日に干して乾かしてから、袋(右写真)に入れて売る。
この店では1kg1000リエルで回収業者に引き取ってもらっている。農家ではこれを水に溶いて豚の餌にする。(プノンペン)
3. 鶏
      鶏は現在1kgあたり10,000リエル程度。
      庭先で放し飼いしている農家がほとんどである。にわの隅に小さな小屋があり、夜になるとそこに入って鶏は寝る。
鶏は普通放し飼い。ヒナも勝手に生まれている。(クラチェ州)
鶏かご。夜には母鶏とまだ小さい雛をこのかごに入れてあげる。雛が大きくなって小屋に自分では入れるようになったらこのかごは使われない。(クラチェ州)
一番よく見かけるタイプの鶏小屋。夜には鶏たちは少し高い部分の小屋に入って寝る。産卵も小屋の中で。鶏小屋のない家では木の上に留まって寝るが、犬に襲われたりすることもある。(クラチェ州)
大型の鶏小屋。(カンダール州キエンスヴァイ)
      勝手に交配しているので、卵は受精卵となる。なので、個人農家は市場に卵を売ることは目的ではなく、雛をかえして肉用として販売したり、自宅で食べる。
      郊外には鶏を多数飼育しているところもある。雛を他の農家へ売るためのところと、採卵農家。鶏卵はタイやベトナムからの輸入も多いというが、いまのところ、私が行く市場では出会ったことはない。アヒルの卵はほとんどカンボジア産。
      餌は籾殻のついたままの米、籾を取った米、とうもろこし、購入した配合飼料など。
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