ラオスのボートレース
(シェン・グン=Xieng Ngeun)
地図
を見る
Bun Nam と呼ばれるこのボートレースは、3ヶ月に及ぶ仏教僧の修行の終わりを祝う祭(Awk Phansa)のひとつとして、この時期にメコン川沿いの各地で開かれる。ルアンプラバンでは時期をずらして既に2ヶ月前に行われており、筆者らはルアンプラバンの南約 20 キロのところにあるシェン・グンで開かれたボートレースを見物に出かけた。村中はお祭り騒ぎで盛り上がっており、縁日の屋台がずらりと並ぶのはどこも同じである。
お祭り騒ぎで屋台が建ち並ぶ村のメインロード。
そう遠くない将来にはボートの漕ぎ手になるだろう、イケメンの兄弟。
河岸に沿って簡易テントが設置され、レースの開始を待つ。
祭で唯一の乗り物はこの回転するブランコ。中で台に乗った男の人が必死に回す手動式である。
ダーツの矢を放って風船をわるゲーム。簡単に見えるが結構はずす人が多い。写真の少年は3発ともはずして恥ずかしそうに引き上げた。
チームは近隣の村や役所といった単位で組織され、筆者らはFORCOMプロジェクトが協力する県の農林局のテントに入り込んで見学をさせて頂いた。出場チームは全部で 14。漕ぎ手がボートに乗り込みいよいよレース開始かと身を乗り出すと、まずは各チームの紹介ということで1チームずつゆっくりと漕ぎながら観客の前を下って来た。
各チームのメンバーはお揃いのT-シャツを着ている。この写真で真ん中のチームは、EU による村落開発プロジェクトから供与されたシャツをユニフォームにしていた。
中には村のきれいどころを乗せてお披露目しているチームもあった。最も観客からは遠いので、本当にきれいかどうか判断の余地が残った。
レースは二艇一組で行われる。勝ち抜き戦というわけではなく敗者復活戦なども複雑に組まれているため、最終的に優勝するまでには相当数のレースをこなさなければならない。
ボート前、中央部の漕ぎ手は、シートに座りスピード感のある漕ぎ方で船を引っ張っていく。後部の漕ぎ手は立ち上がって大きくかき、後ろからぐんぐん押していく。最初の3レース目までは全て観客から見て外側のボートが大差をつけて勝ったため、川の流れのせいではないだろうかと思ったが、第4レースからは内側のボートも勝ち始めたので、やはりそこら辺はちゃんと考えてコースを設定しているのだなあと納得した。中には途中で漕ぎ手のリズムが崩れてしまうチームもあり、そうなるとボートは失速して立ち直ることはできずに棄権するしかない。
(2005
年
10
月 プロジェクト長期専門家 柏崎 佳人 記
)
"四方山話"トップへ戻る
ラオス"旅行記・他"トップへ戻る