8月に鶏約 300 羽以上を5回に分けて導入したところ、その後すぐにその半数が死んでしまったという。今回の聞き取り調査で、その5回目に導入した鶏の中にニューカッスル病に感染している個体があり、そこから感染がグループ全体に広まったと推察された。ビエンチャンにおける Dr. ウドムの活動記にも書いたが、市場で売られている鶏の中にニューカッスル病に感染している個体が容易に見つかる。今後、鶏の導入には十分な注意が必要である。
前回のフィールド活動で採取した血清等の検査結果から、ニューカッスル病や出血性敗血症といった突発的な感染症の流行を別にして、特に問題となるような疾病は見つからなかった。それゆえ今回の活動では主に村人に対するサービスに重点を置き、動物からのサンプリングは可能であればという程度に止めた。しかし年に数回程度しか行えない我々の巡回指導には限界があることは明らかであるため、次回は各村の中から能力のある人材を選び、タイ人の Dr. サティスとラオ人の Dr. ブントムが指導をして、それぞれの村の中に少なくとも簡単な治療や検査のための採材のできる人材を育成しようということになった。(2005年10月 プロジェクト長期専門家 柏崎 佳人 記)