ベトナムにおけるIn-Country Activity実施計画(2005年度)
2. 出血性敗血症ワクチンの野外における効力判定試験

背 景

現在、ベトナムでは、民間および国の機関を合わせて、出血性敗血症に対する数種類のワクチンが生産されているが、依然として出血性敗血症による牛の大量死が散発しており、ワクチン接種プログラムの充実による予防対策の改善が望まれている。それゆえこれらのワクチンについて野外における実際の効力を検査し、個々について効果的なプログラムの策定を行う必要がある。

目 的

1. 現在、市販されている2種類のワクチンについてその効力を経時的に判定し、効果的なワクチン接種プログラムを策定する。
2. センター・スタッフがELISA法の開発を経験することにより、条件設定の方法や問題に対する対処法などを修得する。

方 法

1. サンプリング
場所:北部2県(Vinh Phuc, Bac Ninh)で、各県ごとに異なるワクチンを検定する。
方法:Vinh Phucにおける採材は日帰り、Bac Ninhへは1泊2日で行う。スタッフ5人で採材に出かけ、両地区ともに60頭の牛をワクチン接種群と未接種群との2群に分け、ワクチン接種時、接種後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の計5回、採血して抗体価の変化を追い、ワクチンの効力を判定する(60頭 X 5回 X 2地区=延べ600頭)。

2. 検査法
抗体調査にはELISA法を用いる。可能であれば、タイ国立家畜衛生研究所に出血性敗血症原因菌(Pasteurella multosida)標準株の分与を依頼し、ELISA用抗原の精製からシステムのセットアップまで診断センターにて行う。

投 入

1. 日本人専門家(長期または短期:抗原の精製およびELISA法の確立)
2. 消耗品、日当、ガソリン代、等
3. 2004年度機材ELISAプレート・ウォッシャー

期待される成果

1. 2種類のワクチンについてその効力が持続する期間が明らかになり、効果的なワクチン接種プログラムを策定することができる。
2. センター・スタッフが、市販キットではないELISAの確立を経験することによって同様の検査法を他の疾病にも応用できるようになり、診断センターの検査態勢の幅が広がる。

責任者

Dr. Nguyen Thi Kim Oanh              Chief, Bacteriology Section, NCVD