まずスタッフと一緒にブギリ県の獣医事務所へ出かけ、所長の Dr. マンゲニから話を聞いた。ジェネレーターや冷凍庫、診断用の簡易な機材類もあるとのこと。また事務所が近々新設されることになっており、そこに移った後に小さな診断ラボをセットアップする予定だという。 ワクチンはニューカッスル病、ランピー・スキン病、狂犬病の 3 種類をストックしている。ニューカッスルは経口もしくは経鼻用のイタリア製ワクチンで、1 バイアルが 500 ドース、4000 シリングする。それゆえ農家ごとにバイアルを買って接種すると効率が悪いため、農家の中からボランティアを募ってトレーニングを受けてもらい、ワクチン接種のシステムを作ったそうだ。それは、ワクチン接種を希望する農家は毎週木曜までにそのボランティアに連絡し、金曜日の朝にボランティアが希望する農家をまわってワクチン接種を行うというものだ。農家は 1 羽につき 200 シリング払う。確かにこれであればロスが少なくて済む。ワクチネーション・プログラムはベルリン自由大学が 1992 年にウガンダで行ったリサーチの結果に基づいており、1 週齢、4 週齢、7 週齢と 3 回、経鼻で接種する。 牛肺疫のワクチンは年に 1 回一斉に接種を実施しており農家に 500 シリングの負担を課しているが、その負担金の回収率は 20 %程度であるという。 問題になっている疾病はいずこも同じ、ダニ媒介性の東海岸熱、バベシア、アナプラズマなど。トリパノゾーマも重要な疾病のひとつである。この県には薬浴の施設が 3 ヶ所にしかなく、しかもそのうちのひとつしか稼働していないとのことであった。