住血吸虫は 2cm 以下の細長い寄生虫である。体表は軟質で口吸盤、腹吸盤を持つ。雌雄異体で抱合している。成虫は血液中に寄生するのでこの名称がある。成虫から産出された虫卵は組織を貫通して糞便、尿などから宿主の外に出る。虫卵は水中で孵化し有毛幼虫(ミラシヂウム)となり中間宿主の貝類に侵入する。貝の体内で無性増殖しスポロシストとなりその中にセルカリア(有毛幼虫)を形成する。遊出したセルカリアは水中を遊泳して人の皮膚から浸入する。日本住血吸虫では人以外の動物にも起きるので人獣共通感染症となる。ビルハルツ住血吸虫は尿中から、その他の住血吸虫では検便で虫卵を検出する。虫卵は長径 60〜70 マイクロメーターの円形または長円形で、突起の性状によって虫種の鑑別を行う。<感染環の図を見る>