右の写真、左の人物が Dr. ウドムである。天才バカボンに登場するレレレのおじさんのような風貌をしている。
病理といえばまず解剖だ。ここのところの鳥インフルエンザ騒ぎで鶏の検体が多く持ち込まれることから、解剖のデモンストレーションに使う鶏を買いにマーケットへ出かけた。ラオスのマーケットでは上の写真のように籠に入れられて動物が売られている。ここで解剖の実習用に鶏3羽と豚1匹を購入した。
家畜衛生センターへ戻ってまずは鶏からの採血と解剖のデモンストレーションである。最初に Dr. ウドムが行い(左の写真)、その後で鳥インフルエンザ診断を担当しているラオ人スタッフの Dr. フボンが実際に経験する(写真左下)。
マーケットで仕入れた鶏であるため当然何の病変も予期していなかったが、3羽中1羽で腺胃に出血及び潰瘍が観察された(下の写真)。これはニューカッスル病の特徴的な病変であり、ラオスでこの病気による大量死が頻繁に発生しているのもうなずける。
この1週間の Dr. ウドムの技術指導で、センター・スタッフが病理解剖と診断用の採材を的確に行えるようになった。次の Dr. ウドムの使命は、病理組織標本の作製を指導することであるが、ほとんどゼロの状態からの立ち上げとなるため、長期的な取り組みが必要となるだろう。(2005年6月 プロジェクト長期専門家 柏崎 佳人 記)