フェーズ 2 事前評価調査 (2009 年 7 月 8 日 ~ 16 日)、その 1

      かなり遅くなってしまったが、フェーズ 2 協力「家畜疾病診断・管理体制強化計画」詳細計画策定調査に参加させて頂いたので、その時の様子を報告しておきたい。この調査団に加わったのは、総括として農業開発協力部の星課長。家畜疾病診断技術の分野から日大獣医学部講師の佐藤さん、計画管理団員としては、本部においてプロジェクトを担当することになる入所 4 年目の野田さん、そして評価分析のためのコンサルタント団員として筆者の計 4 人であった。星課長も獣医師であるため、4 人中 3 人が獣医師という調査団となった。
      先のプロジェクト終了間際になって軽い脳梗塞を発症し、チャーター機でナイロビへ緊急輸送されるというトラブルを起こしてしまった筆者を、再びウガンダへ行かせるというのはいかがなものか、という意見が農開部内で根強くあり、正式な派遣決定に至るまでに時間がかかったが、最終的に O.K. が出て再びウガンダの地を踏めることになった。今回の調査の目的は以下の通りである。
      2007 年 3 月より 2009 年 3 月まで 2 年間にわたり技術協力プロジェクト「家畜疾病対策計画」を実施し、疾病診断技術者育成、中央・地方診断ラボ施設整備などを通じ、体制強化を図ってきた。この協力の過程で、「ウ」国農業畜産水産省は、疾病診断ラボラトリーとマケレレ大学獣医学科の連携を命じた大統領命を受け、両者の連携による家畜疾病診断体制を構想し、終了した上記「家畜疾病対策計画」プロジェクトの後継案件として本案件を我が国に要請した。
      本詳細計画策定調査では、「ウ」国政府からの要請背景、内容および関係機関や地域の現状を確認し、「ウ」国政府並びにマケレレ大学関係者と協議の上、協力計画を策定し、協力の枠組みを評価 5 項目
(妥当性、有効性、効率性、インパクト、自立発展性) の観点から評価するとともに、当該プロジェクトの詳細計画策定のために必要な情報を収集、分析する。
      今回の 3 週間に渡る調査は、まず評価分析団員である筆者が先乗りして調査を始め、その 1 週間後に野田さんが、そして更にそのもう 1 週間に星課長と佐藤さんが加わるという変則的なものであったため、最大の目的であった両国政府間で結ぶミニッツ (議事録) の内容に係る協議は、全員が揃う最後の週を待つこととなった。
ムバララ・ロードから右折してカゾへ向かう未舗装道路に入り、少し走ったところでは、乾期になるとシマウマの姿をしばしば見かける。近くのムブロ湖国立公園内に餌となる草が少なくなるためだろう。今年の水不足はかなり深刻なようで、この日、多くのシマウマがたむろしていた。左奥にはインパラの姿も写っている。


      筆者は農業省とマケレレ大学にて調査の打ち合わせを行った後、早速地方巡業へと出かけることにした。まずは西南部のキルフラとムピジだ。勝手知ったる場所なのでいたって気楽に向かうことができる。ヤントンデの先を右折してすぐにシマウマの群が出迎えてくれた。インパラも数頭いる。こんなに多くの野生動物がここまで出てきているということは、ムブロ湖国立公園の中も水不足・食糧不足なのだろう。今年の干魃はかなりひどいようだ。ここらあたりの牧場も一面褐色で、食べられそうな草が見あたらない。農家はどうしているのだろうか。
      カゾ獣医センターに到着すると誰もスタッフがいない。確かに Dr. ムギシャとはアポを取っていたはずだ。いつもだったら会いたくもないカトーあたりが必ず顔を出すのであるが、この日は姿を現さなかった。裏に回ってみると何人か若い連中がたむろしていた。その中のひとりに見覚えがあったので声をかけてみると、「Dr. ムギシャはついさっきまでいたけどどこかへ行ってしまった。ところで Dr. コヤマはどうしてる?」と言う。そこで「そうか、こいつは短期隊員の古山君がいた頃、フィールド・アシスタントとして働いていたヤツだ」と思い当たった。しかし確か彼はカトーを嫌って 2 月一杯で辞めてしまい、その後古山君は寂しい思いをしたとかぼやいていたっけ。そうこうしているうちに Dr. ムギシャから携帯に電話があり「もうセンターに到着した」と伝えたところ、すぐに戻って来た。筆者がウガンダを離れてからまだ 4 ヶ月足らずであったため、何も変わっていないだろうと高を括っていたのであるが、ところがどっこい話を聞いてみるとその 4 ヶ月の間に大きく状況は変化していた。
      まず一番驚いたのは、カゾ獣医センターの主であり、このセンターが活用されない諸悪の根源であったカトーが移動させられていたことである。だからあのカトーを嫌って離れていたフィールド・アシスタントの彼も戻って来ていたのだ。他にもサンガ獣医センターの Dr. キエンベも移動させられており、キルフラ県の要となる両センターは若い獣医師に任されることとなっていた。キルフラ県全体では 2-3 人の獣医師が今年度 (ウガンダでは 7 月から新年度になる) 新規に雇用されており、彼らが楽することを覚えてやる気を失わないうちに、JICAとして何かしらのサポートをすることができればと感じた。キルフラを含む 5 県での聞き取り内容については表にまとめて本ページ下部に掲載したので、それを参照願いたい。
      帰国前、同じくフィールドアシスタントのエンマにあげるもりで本とシャツを用意していたのだが、帰国直前の脳硬塞騒ぎで渡す機会を逸してしまったために多田専門員に託してきた。ところが多田さんはそれをカトーに託してエンマへ渡すよう伝えたと聞き、筆者はカトーがガメてしまったのではないかと案じていた。ところが当日姿を見せなかったエンマに電話をして尋ねてみると、確かに受け取ったと聞き安堵した。帰国後、古山君にメールでこのいきさつを伝えたところ、「カトーはそこまで悪い人間ではないですよ」という返事が届いていたので、「あいつならばやりかねない」と感じていた筆者は、カトーを疑ったことに多少の罪悪感を感じた。


農業省 Dr. カウタの部屋でミニッツの協議 (左から藤家所員、Dr. クリス、Dr. ウェソンガ、野田職員、減量した Dr. アデムン、Dr. カウタ)

マケレレ大学獣医学部細菌検査室で談笑する藤家所員、Dr. エディー、検査室スタッフ、野田職員 (左から)。

ムバレ獣医事務所で Dr. フィリップ (左端)、Dr. ウェレ (中央) とフェーズ 2 協力についての話をする野田職員。

クミ獣医事務所で Dr. オンヤイト (左端) と懇談する藤家所員 (中央) と野田職員 (右端)。

      翌朝、カンパラへ戻る途上、ムピジに寄った。ちょうどムセベニ大統領が県を訪れており、その接待で所長のセキウンガが不在であったため、獣医事務所の若手コンビである Dr. カバンダとムソケが応対してくれた。ムピジは以前からスタッフの数は多い県であったため、その点で大きな改善点はなかったが、今後、ラボを活用していくという点においては大きな興味を持っており、またその可能性も高いと感じる。それはひとえにムソケの存在に依るところが大きい。ムソケは獣医師ではないが、臨床と検査の両方に関心を持ち、仕事に対して真摯かつ熱心である。短期隊員として彼と一緒に働いていた戸田君や上田君もいたく感心していた点であり、またシニアボランティアの近藤さんも 5 ヶ所の獣医事務所スタッフの中でムソケを一番かっている。家畜が死んでもその原因に興味を示さないスタッフが多い中、ムソケはその原因を探ろうという学問的な探求心があり、しばしば組織病理用のサンプルを近藤さんのところに送っているという。彼がいてくれれば、フェーズ 2 でラボをもう少し広く拡張し、県内外を問わず他のスタッフに対する教育係になってくれたら、臨床に役立つ診断というものがもっと広く根づいていくかもしれない。

東部灌漑プロジェクトのフィールド。エルゴン山を望む。

湧き出る地下水を取りに来た少年

東部灌漑プロジェクトのフィールドを見学する。東部灌漑プロジェクトの安藤専門家 (右端) と栗田専門家 (中央)

水路で遊んでいた少年

      西南部への出張を終えた後で野田職員がウガンダに到着し、一緒に東部へ出かけることになった。この出張には事務所から藤家職員も加わる事になり、3 人での行脚となった。野田さんはまだ入所 4 年目の若手であり、プロジェクトを担当するのも海外へ出張するのも今回が初めてだという。この 6 月にルワンダへ赴任した鯉沼さんの後を継いで、ウガンダの農業案件 (ネリカ米普及、東部灌漑、養蚕、それに家畜疾病対策) を担当することになったわけである。
      ムバレでは所長の Dr. ウェレと Dr. フィリップと話をした。ここでも大幅な人員増を図っているのには驚かされた。今年度から獣医師を 4 人も増やしたのだという。しかもそのうちの 3 人は新卒の若い力だ。これまでムバレ事務所の獣医師は所長の Dr. ウェレを含めて 4 人しかいなかった。しかもサブカウンティーに配属されている 3 人は皆 40 歳前後という中堅どころ、畜産スタッフに至っては定年間近という人が 4 人中 3 人もいた。そこに若手が 4 人も加わるのであるから、これから先が楽しみである。またフェーズ 1 プロジェクトによって整備したラボを周辺県のスタッフも利用し始めているらしく、将来的に診断分野のハブ・センターとなっていく可能性がある。ここもラボが狭いので、もう少し広げられないかと切り出したところ、隣にあるスタッフのミーティング・ルームをラボに改造しようという話になった。フェーズ 2 が始まったら他県並に広いスペースを確保し、地域の拠点ラボに整備していくと良いだろう。
      ムバレで昼食を済ませ、クミへ移動する。急用ができてカンパラ出発が遅れた藤家さんはここから合流した。クミ獣医事務所ではめずらしく所長の Dr. オンヤイトが待ち構えていた。筆者の帰国前に数回立て続けに約束を反故にされていたため、今回もいないのではないかと一番心配をしていた事務所であったが、さすがに今後の協力関係にひびくと考えたのか、相変わらずの大きな体で出迎えてくれた。クミでは予算の関係で獣医スタッフは増やせなかったものの、畜産スタッフを増員し、家畜衛生関連スタッフが総勢 14 名になっていた。しかもこれまでラボから離れたサブカウンティーを受け持ちながら、短期隊員のカウンターパートとして検査業務を担当してきたイマリガの任地を街中へと配置転換し、ラボへのアクセスを改善させていた。それに加え、殺人容疑で収監されていたラボテクニシャンはその疑いが晴れて出所し、仕事に復帰したらしい。冤罪だったというわけである。これからはイマリガから検査技術を習い、診断業務を担当することになるという。まあそうトントン拍子にものごとが運んでいくとは思えないが、筆者の中では「ダメ」の烙印を押していたクミ獣医事務所でさえこれだけの変化が見られたことは意義深い。
      今回の出張前、成果の見られない県獣医事務所はフェーズ 2 で切り捨てるという話になっていた。その最有力候補がクミだったわけであるが、このような努力の跡を見せられるとそんなことも無碍にできなくなってしまうわけで、一応これまで協力関係を続けてきた 5 ヶ所の獣医事務所に対しては、フェーズ 2 でも継続して支援しようということになった。最も最終的にどうするかはフェーズ 2 が開始されてから長期専門家がウガンダ側と協議をして決めることになるが、調査団としてはこれまでの 5 ヶ所プラスもう 1 ヶ所どこか北部あたりに良さそうな県を見つけ、地方は 6 ヶ所体制にするという提言を行った。

NaRILLI で所長 (Dr. セワンニャナ、右端) と懇談する。

左端が 17 年前に筆者のサンプリングを手伝ってくれた Dr. マゴナ。すっかり太ってしまった。

カメラに向かってポーズを取る少年。

この地区のリーダー(赤い服の人)と。

      翌日はせっかくウガンダまで来たのだからと、これから野田さんが担当することになる東部灌漑プロジェクトのサイトを安藤専門家に案内して頂いた。ここでは筆者が 1 年前にルワンダでお会いした栗田さんと再会した。栗田さんは当時ルワンダで開発調査に関わっておられたが、その終了後、東部灌漑プロジェクトの短期専門家として赴任されたそうだ。低音の魅力ある声は健在で、米の専門家として安藤さんとなかなか良いコンビ振りを発揮されていた。
      ムバレを後にして我々はトロロへ向かい、動物資源研究所 (NaLIRRI) に立ち寄った。筆者がイギリスで博士課程の勉強中にサンプリングの拠点としたところである。フェーズ 1 協力においてはマケレレ大学と同じくウガンダ国内支援機関という位置づけであったが、現実的にはプロジェクト活動に関わることはなかった。それゆえフェーズ 2 においてこの研究所の位置づけをどうするかという点で納得のいくアイディアが湧かなかったことと、農業省からは研究所もサイトとして組み込みたいという要望が上がったため、とにかく調査団として一度訪問し、話を聞いてみようということで行く事になしたわけである。当日、対応してくれたのは Dr. セワンニャナ所長と Dr. マゴナの二人だ。Dr. マゴナは 17 年前に筆者のサンプリングを手伝ってくれたスタッフのひとりであり、ここ 2年間はポスドクで日本に滞在していた。
      彼らにこの研究所がどのような形でプロジェクトに貢献できるかを尋ねたところ、まず第一に「地域との強い繋がり」、そして第二に「技術面におけるリファレンス機能の提供」とのことであった。確かに東部広域における疾病調査や、家畜衛生スタッフに対する研修といった活動においては大きな役割を担ってくれるものと思われるが、ひとつ心配なのは NaLIRRI はこれまで国内外の機関からの依頼を受けて調査や研究を実施してきたことである。つまり国内のニーズに基づいて研究を実施してきたのではなく、ドナー機関の要望を請け負う形で利益を含めた予算を受け取り、調査、研究、検査などを行ってきた。それゆえ JICAプロジェクトにおける活動にしても同じような感覚で受け止められると、プロジェクトの趣旨に反することになる。JICA の協力は、ウガンダ関係機関の努力によって疾病対策を実施していく過程をサポートをするというスタンスであり、決してその作業に対する報酬を支払うものではない。このようなやり方に NaLIRRI のスタッフががなじめるのかどうか、現時点では何ともコメントし難く、フェーズ 2 に関わる長期専門家の手腕に委ねる部分が大きい。

左から野田職員、Dr. ルテバリカ、Dr. カバサ獣医学部長、藤家所員、Dr. ウェソンガ、Dr. デオ、筆者 (農業省にて)

左から近藤シニア・ボランティア、佐藤講師、Dr. デオ、野田職員 (エンテベ・ラボにて)

農業省 Dr. カウタの部屋でミニッツの協議をする (左からDr. カバサ、Dr. デオ、藤家所員)。

農業省 Dr. カウタの部屋でミニッツの協議をする (左から藤家所員、Dr. クリス、星課長、Dr. ウェソンガ、Dr. ムカニ、Dr. カウタ、野田職員)。

その 2を読む。
各県獣医事務所における聞き取り調査結果
質 問
キルフラ
ムピジ
ムバレ
クミ
キボガ
現在、ラボを使っているスタッフは誰で、何の検査を実施しているか?
・ Ronald Mugisha (VO)
現在、検査の研修中
・ Kato Moses (AHO)
ローズベンガルテストとミルクリングテスト程度で、血液・糞便検査はほとんど行っていない。
Musoke G. M. (AHO)
血液・糞便検査、RBT、MRT、抗生物質感受性試験、解剖
他のスタッフ
サンプルは持ち込むものの、検査はムソケに任せきり。
Ecweu (Lab. Technician)
血液・糞便検査、RBT、MRT
Philip (VO)
血液・糞便検査
Moses (VO)
血液・糞便検査
Imaringat (AHO)
血液・糞便検査、RBT、MRT
Ochom (Lab. Assistant)
検査の研修中
Nsereko, Tingiira, Moses, Robert, Clement
血液・糞便検査、RBT、MRT、抗生物質感受性試験、耐性菌の培養+細菌染色
県スタッフがラボを利用しない要因は何か?
1. カゾ獣医センターのラボは長い間機能していなかったため、検査ができるようになったことを知らない農家が多いため、要望が少ない。
2. 責任者であったカトーがほとんどラボでの検査をしなかった。
1. ラボが距離的に遠い
2. 臨床診断で済んでしまう。つまり確定診断の必要がなく、しかし治療の効果が出ない時や、非常に重症になった時など、困ったときにサンプルを持ち込む。
2. 疾病の発生自体が少ない。
1. 技術的なトレーニングが不十分。
周辺のシロンコ、マナファ、ブドゥダ、ブダカの各県に対してラボの利用を呼びかけており、実際にサンプルを持って来た時にはエチューが対応している。(ミーティングルームをラボに転化可)
1. 予算
2. ほとんどの場合臨床診断だけで判断できるため、ラボ診断の必要性がない。しかしブルセラやPPRのような疾病を疑う場合にラボでの診断が必要となる。
1. 県が大きいため、事務所と距離的に通い。
2. 交通手段
注) フリージアンやボラン種との交雑牛が多く病気に弱い。それゆえ農家からは診断に対する要望が強い。加えて治療法が肉質、乳質に及ぼす影響が強いため、正確な診断が望まれている。
疾病の発生が起こったときの対応は?
<FMD, LSD>
県は緊急時用の予算を確保している。農家が連絡があると、すぐに発生地を閉鎖し、MAAIFまでワクチンを頼み、直接エンテベまで引き取りに行く。
<FMD, CBPP>
1. サブカウンティー・スタッフからDVOへ、そしてMAAIFへ (電話による連絡)。
2. DVOスタッフが現場へ。
3. 検疫体制をセットアップ。
4. MAAIFからワクチンを受け取って接種。
<FMD, LSD, CBPP, ASF>
1. まず検疫体制をセットアップする (local quarantine)。
2. コミッショナーに連絡する。
3. エンテベからの調査チームを迎える (時と場合によって時間がかかる)。
4. ワクチネーションなどの対策を取る。
<FMD, CBPP>
1. 臨床診断 (FMDの場合、Rapid field testがある)
2. 検疫体制のセットアップ (local quarantine)
3. 報道機関に呼びかけ、移動制限を実施する。
5. コミッショナーに連絡
6. サンプリング
7. ワクチネーション
1. 農家がサブカウンティー・スタッフに通報
2. スタッフがDVOに連絡
3. DVOが調査チームをセットアップし、サンプリングのために現場へ派遣する。
4. 必要があると判断されれば、検疫体制を敷く。
5. MAAIFに連絡し、サンプルをエンテベへ。
マケレレ大学もしくはエンテベ・ラボにサンプルを送って診断を依頼したことはあるか?
CBPPを疑うケースで、血清をエンテベに、狂犬病を疑うケースで牛の頭部をマケレレに送ったことがある。どちらも時間はかかったが、結果は受け取った。
・無料なのでエンテベへ送ることが多い。最近では組織病理診断のためのサンプルを送った (-->近藤SV)。結果は1週間くらいのうちに届いた。
・マケレレに狂犬病を疑うケースのサンプル (牛頭部) を送ったときには6万UGXかかった。
確定診断が必要なケースは稀なので、送ったことはない。
狂犬病を疑う犬の頭部をエンテベ・ラボへ送ったことがある(何年も前のこと)。
組織病理、血液、細菌培養のためのサンプルをマケレレ大学に送ったことがある。金はかかったが、結果は早かった。昔はエンテベに送ったが、マケレレ大の方が便利なので、このところはマケレレ大に送っている。
フィールドから県獣医事務所へ情報は速やかに入ってくるか?そうでない場合、その要因は何か?
大きな問題はない。農家はサブカウンティーの事務所へ頻繁にやってきて、色々と不平不満を言うが、それには各スタッフが対応している。
基本的には問題がない。複数の農家で水をシェアしたりしている場合、自分のところが発生源だと思われたくないために隠す農家がいる。しかしそういった場合も、薬を大量に購入したり、隣人にチクられたりして発覚することがある。
問題なし。
農家からDVOに対しては問題なし。農家に対して情報を伝える時には、農家が理解できるようにわかりやすく伝えるといった注意が必要。農家はいつも予防よりは治療に頭がいく。-->農家とのコミュニケーション・スキルを磨く訓練が、DVOスタッフに必要。
特に問題はない。また疾病の発生を隠すようなこともしない。隠してもたいていの場合、隣人から通報が入る。
動物を勝手に治療する農家はまだあるが、誰でも動物用医薬を自由に購入できる現行法の下では仕方のないことだ。
農業畜産水産省と県獣医事務所間のコミュニケーションは良いか?そうでない場合、その要因は何か?
直接コミッショナーに電話をかけると言った個人ベースではあるが、不具合はない。問題が生じた場合のみ連絡をする。しかし狂犬病などのようにワクチンが県で保管されている場合は、県が問題に対応し、 省は関わらない。
疾病の発生は電話でMAAIFに知らせる。しかし反応が遅いことが多い。
個人ベースではあるが問題なし。周辺県獣医事務所との情報交換は非常に速い。
携帯電話による個人ベースではあるが問題なし。
携帯電話による個人ベースではあるが問題なし。連絡するのは Dr. KautaかDr. Rutebarikaのどちらか。
定期的に疾病発生状況を報告する義務はあるか?
月例報告書を提出する義務はあるが、提出していない。大きな疾病の発生があった場合のみ報告している。
月例報告書を送っている。
月例報告書を送っている。
四半期ごとに送っている。しかし特別なケースがあれば、その度ごとに送る。
月例報告書と四半期報告書を送っている。しかし前者は最新のものではない。
県内で問題となっている感染症は?
FMD、LSD、CBPP、炭疽、気腫疽、ブルセラ病、ダニ媒介性疾病、内部寄生虫症、ND、狂犬病
FMD、ダニ媒介性疾病、ND、狂犬病、ブルセラ病、CBPP、CCPP、ASF、ND、ガンボロ病、マレック病
FMD、LSD、CBPP、ASF、気腫疽、ブルセラ病、リステリア症、乳房炎、ダニ媒介性疾病 (心水症を含む)、トリパノゾーマ症、内部寄生虫症、豚疥癬症、ND、ガンボロ病、鶏ポックス、鶏パスツレラ症
FMD、CBPP、ブルセラ病、ダニ媒介性疾病 (心水症を含む)、トリパノゾーマ症 (県西部域)、ND、狂犬病
FMD、CBPP、ASF、気腫疽 (雨期の初め)、ブルセラ病、ダニ媒介性疾病 (心水症を含む)、トリパノゾーマ症 (ツェツェがいるし、マシンディ県にはTrypsがいる)、内部寄生虫症、ND、狂犬病
どのような診断技術が県獣医事務所にとって有益か?
上記疾病を診断できるような技術 (LSD、炭疽、気腫疽は臨床症状から明らか)
上記疾病を診断できるような技術
上記疾病を診断できるような技術。豚と犬を対象としたトリパノゾーマ症の調査をしたい。
上記疾病を診断できるような技術
流産の原因調査。また彼ら自身の診断技術について、Quality Assuranceをしたい。
-->長期隊員が有効か?
スタッフ
キルフラ
ムピジ
ムバレ
クミ
キボガ
獣医師
7 人
8 人
9 人
4 人
7 人
畜産
6 人
18 人
4 人
10 人
8 人
ラボ技術者
0
0
1 人
1 人
0
人工授精師
0
0
1 人
0
0
合 計
13 人
26 人
15 人
15 人
15 人
FMD: 口蹄疫、LSD: ランピー・スキン病、ND: ニューカッスル病、CBPP: 牛肺疫、CCPP: 小反芻獣肺疫

その 2を読む

2009 年 10 月 元長期専門家 柏崎 佳人 記