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エンテ・ベラボ(農業畜産水産省)
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マケレレ大学獣医学部
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1. 当該機関における診断法の現状 |
疾 病
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診断法
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ドナー
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担当部門
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診断法
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ドナー
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担当部門
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FMD |
PCR & ELISA |
DANIDA (研究支援) |
分子生物
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ELISA |
ー
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Central Lab.
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ランピースキン |
臨床診断 |
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ー
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臨床診断 |
ー
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ー
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小反芻獣疫 |
ELISA |
FAO (終了間近)
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血清
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ELISA (学生に対するトレーニング) |
MAAIF-FAO
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牛疫 |
ELISA |
PACE-EU
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血清
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リフトバレー熱 |
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ー
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ー
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牛肺疫 |
ELISA |
PACE-EU
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血清
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ー
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ー
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ー
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小反芻獣肺疫 |
CFT |
PACE-EU
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血清
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ー
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高病原性鳥インフルエンザ |
簡易テスト |
FAO-USAID (終了)
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ー
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ELISA、HI、HA、FA、RT-PCR、ウイルス分離 |
USAID
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AI Lab.
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ニューカッスル病 |
簡易テスト+組織病理 |
FAO-USAID (終了)
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病理
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組織病理 |
ー
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病理
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ガンボロ病 |
組織病理 |
JICA (終了)
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病理
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組織病理 |
ー
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病理
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アフリカ豚コレラ |
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ー
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現在、院生が血清学的な診断法を開発中 |
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オーエスキー病 |
ー
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ー
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ー
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ー
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ー
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ー
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狂犬病 |
直接蛍光抗体法、組織病理 |
JICA (終了)
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病理
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組織病理 |
ー
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病理
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ブルセラ病 |
ELISA、ローズ・ベンガル、ミルク・リング・テスト |
JICA (終了)
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ウイルス、血清
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ローズ・ベンガル、ミルク・リング・テスト |
ー
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ー
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結核 |
ツベルクリン反応 |
JICA (終了)
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組織病理 |
ー
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病理
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炭疽 |
直接塗抹+芽胞染色 |
ー
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細菌
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組織病理 |
ー
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病理
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東海岸熱 |
血液塗抹 |
ー
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血液
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血液塗抹 |
ー
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Central Lab.
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トリパノゾーマ症 |
ヘマトクリット管遠心法 (HCT)、血液塗抹 |
ー
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血液
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ヘマトクリット管遠心法 (HCT)、血液塗抹 |
ー
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Central Lab.
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心水症 |
組織病理 |
JICA (終了)
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病理
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組織病理 |
ー
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病理
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2. 診断部門における正規採用職員の数 |
獣医師 |
3 名 |
微生物 (4 名)、病理 (8 名)、Central Lab. (5 名)
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ラボ技術者 |
4 名 |
微生物 (1 名) |
3. マケレレ大学もしくは農業畜産水産省との協力活動 |
1. |
マケレレ大学の学生に対するブルセラ病ELISAの指導
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MAAIFがケニア人技術者をウガンダへ招待し、マケレレ大学においてASFに係るトレーニングを実施した。
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2. |
NADDELスタッフがマケレレ大学にて豚嚢虫症の診断に係る指導を実施
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同左 |
3. |
ラボ技術者がマケレレ大学で行われた高病原性鳥インフルエンザの研修に参加 (HI、HA、ウイルス分離)
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4. |
DANIDAとマケレレ大学によるによるFMDプロジェクトに対する施設の提供
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4. 診断業務遂行の妨げとなる要因
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持ち込まれる検体数が少ない、スタッフ不足、予算不足、施設の不備 (少なくともBSL2程度の施設が必要)、品質管理システムが悪い、ラボマネジメントができていない、診断用サンプル受け入れシステムの不備、停電
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・第一に持ち込まれる検体数が少ない事。かつては省を中心として地方とのネットワークができあがっており、その中に大学も組み込まれていたが、地方分権化政策のために、この地方とのネットワークが壊され、大学としてもつながりを失ってしまった結果、サンプルが入ってこなくなった。
・第二に予算不足が上げられる。
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5. 感染症発生時におけるコントロールに向けた対処法
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1. 現地へ向かうために予算を申請するが、承認されるまでに1か月以上かかることが多く、迅速な対応が取れない。
2. 予算が下りるとサンプリングのためにフィールドへ出かける。
3. エンテベ・ラボで検査を実施。
4. コミッショナーが県に対策を指示する。
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特に大学としては実施していないが、農業畜産水産省や保健省から依頼されることはある。これまで、炭疽、エボラ出血熱、マールブルグ出血熱の発生時に協力したことがあった。しかし多くの場合、サンプルを持ち帰ってラボで検査をするというタイプの支援ではなく、疫学的な手法 (Field Epidemiology Techniques)を用いた原因追及の支援である。
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6. 診断のためにフィールドからサンプルを受け入れるシステムがあるか?あればその過程を説明。
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外部からのサンプルを受け付ける決まった窓口はない。たまたまその場にいて受け取った人が台帳に記入し、フォーマットを添えて適当と思われる検査室に持って行く。サンプルを渡された担当者は検査を行い、終わればフォーマットに結果を記入して所長のサインをもらう。検査の進捗をチェエクするモニタリングのシステムはない。
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外部からの検体はまずCentral Lab.が受け付ける (サンプル・シートあり)。検体の種類により適当な部門へ送る。検体が死体や臓器である場合は病理に送り、解剖を行い、ここで採取したサンプルを再び適当な研究室へ送る。結果は検査を行った各研究室に蓄積されているが、それを集中的に管理する部門 (Central Data Collection Centre) はなく、診断により得られた結果がシステマティックに利用されていない。
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7. 診断用試薬など、生物製剤を作っているのであれば、それらをリストアップする。加えて診断に利用可能な微生物の標準株があれば、それらもリストアップする。
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生物製剤 |
ローズ・ベンガル液、ミルク・リング・テスト用試薬、ブルセラELISA用の抗原 (今後作製していく)
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特になし
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標準株 |
Brucella abortus S99 |
トリパノゾーマ株多数 (T. congolense, T. vivax, T. brucei brucei, T. b. rhodesiense, T. b. gambiense)
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8. 県との間における家畜衛生に関する情報の流れはどうなっているか?またそれが適切でないと思われる場合、その阻害要因は何か?
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情報の流れ |
県獣医事務所からMAAIFに対して家畜発生疾病情報を毎月報告する義務がある。また県獣医官からMAAIFのコミッショナーに対する月例報告書の提出も義務づけられている。MAAIFから県への報告については必要に応じて行われる。
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・上述したとおり、地方とのネットワークが失われてしまっているため、オフィシャルな形での情報のやりとりはない。それゆえコミュニケーションはほとんどが個人ベースである。
・しかしマケレレは県に毎年学生を送っており、彼らが県ー大学間連携の担い手といえる。6年生を30人、約1ヶ月間送り、それにかかる費用はひとりにつき約100ドルである (宿泊 6,000/泊、日当2,000/日)。
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阻害要因 |
1. 県内におけるコミュニケーションが悪く、情報が素速く獣医事務所に集まらないため、報告書の提出が遅くなる。
2. PACEプロジェクトで月例報告のための予算を県に配ったため、PACE終了後に提出が滞るようになった。
3. 報告書作成のために十分な時間が割けない。
4. 報告書のフォーマットが多岐の分野にわたり細かすぎて記入に時間がかかる。 |
9. 疾病発生の監視体制は取っているか?
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基本的にフィールドから県へ、県から省へという流れで報告が入る。特にアクティブな監視体制は取っていないし、また取りようもない。
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行政機関ではないため、特にない。
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10. ドナーによる支援
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1. |
"Support Program to Integated Action Plans for Avian and Human Influenza (SPINAP-AHI)"
・European Union (EU)/African Union (AU) and the Inter-African Bureau for Animal Resources (IBAR)
・Early detection for HPAI (logistical)
・18 months(2008-2010)
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"Vaccine Development against African Trypanosomes"
WHO
Research Cooperation
Renew every 3 years
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2. |
"Pan African Program for the Control of Epizootics (PACE) Phase 3"
・EU/AU-IBAR
・Logistical
・2009-2011
Target Diseases: Rinderpest, PPR, CBPP, FMD
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"Surveillance of HPAI"
Walter Reed Academy/USAID
Capacity building (Main site is in the medical school)
Renew every 3 years
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3. |
"Livestock-Wildlife Diseases Project in East Africa (LWEDA)
・DANIDA
・Capacity building in disease diagnosis particularly foot and mouth disease (FMD)
・2005-2009
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4. |
"National Livestock Production Improvement Project (NALPIP)"
・African Development Bank (AfDB)
・Capacity building and logistical
・Expires in 2009
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5. |
"Prevention and Control of Pestes des Petitis Ruminants in the East African Region"
・Food and Agriculture Organization (FAO)
・Technical Cooperation Project
・Expired in July 2009
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6. |
"Emergency Prevention and Outbreak Containment of HPAI in Uganda"
・USAID through FAO
・Capacity building and logistical
・ ・2007-2008
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11. 診断にかかる経費は誰が負担するべきだと考えるか?
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現在、診断料は徴収していないし、今後も農家に対して診断にかかる経費の負担をさせるべきではないと考える。必要な試薬類などについては何とかやりくりをして農業省やドナーの援助予算から捻出していくしかない。
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検査は低額であるが有料 (寄生虫学的な検査や解剖などは1ドル/検体、組織病理検査などはそれよりももう少し高い)。検査料は実費程度 (技術料なし) に抑えている。試薬類を購入する財源が確保できない限りは、無料にすることは難しい。
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