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鳥インフルエンザ及び家畜疾病発生状況 |
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農業協同組合省はこの計画の農産品部門の重点事項として、(1) 水利技術改革、(2) トレーサビリティの導入、(3) マグロ漁業振興、(4) 酪農乳業振興、の4点を掲げ、酪農乳業振興策として今後の生産、流通システムの改善を民間部門主導へと移行するよう促すとした。豪州、ニュージーランド(NZ)、オランダなどが、合弁企業設立などにより積極的に外資の参加を求めるこの施策に関心を示している。
農業協同組合省はこれまでのAI対策を総括した形で「AI清浄化3年ロードマップ」を策定した。ロードマップの概要は政府のホームページでも公開されている。
それによると、計画の期間は、2006年度(2005年10月から)から2008年度までの3年間とし、目標は、2006年のAI発生を25カ所以下に抑え、2007年にはそれを10カ所以下とし、2008年にはゼロにするとしている。
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公共保健大臣顧問のヂャラン・タルゥナウティポン氏(元病害対策局長)は31日、これまでにピヂット県及びナコン・パノム県の二件内で鳥インフルエンザの家禽への感染が確認された事を明らかにした。
また、過去に感染が確認された事がないナコン・パノム県内で感染が確認された事に関しては、鳥インフルエンザ感染拡大予防対策を怠った者による家禽の移動が原因になったとの見方を示している(ナコン・パノムの感染鶏から分離されたウイルスの遺伝子が、これまでタイ国内で分離されたウイルスとは異なり、ラオス分離株に近いことがわかっている)。
前後して公共保健省病害対策局のタワット局長は、8月31日朝までに全国で134人の患者が鳥インフルエンザ感染疑い患者として観察対象になっており、内最も観察対象患者が多い県がピヂット県の44人であることを明らかにしていた。
一方、コンサック国務大臣は31日、鳥インフルエンザの感染拡大が確認されているラオスと隣接する県の知事に対して、家禽等の移動に対する監視及び検疫の強化を命じました。
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2005年度のワクチン接種状況として口蹄疫(FMD)ワクチン接種頭数が Prey Veng 県、Takeo 県、Kg Chhnang 県の3県で牛10,300頭、水牛1,548頭となった。豚に関してはプノンペンなど大都市周辺部を中心に1,747頭に接種された。また、出血性敗血症は牛140万頭、水牛26万頭、豚6万2千頭で、気腫疽が牛、水牛合わせて1万頭、そのほか豚ではサルモネラ、豚コレラなどとなっている。家きんではニューカッスル27万羽をはじめ家きんコレラ14万羽、さらに鶏痘などのワクチンが接種されている。
FMDや出血性敗血症など家畜伝染病の治療実績としては牛、水牛を合せて9万3千頭、豚が18万頭となっている。一方、疾病によりと畜された頭数は牛、水牛5万6頭、豚50万5千頭となっている。なお疾病による死亡頭数は水牛1千頭、豚1万頭となった。
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今年の3月以降、鳥インフルエンザの発生は報告されていないが、これまでに4人の死亡が確認されている。
近隣諸国と比べ半額程度ともいわれる牛・水牛の取引価格のため、大動物が密輸などにより流出している。このため同国の主要農産品である稲の生産性低下が懸念されている。またこれらは零細家計における資産の緩衝機能を併せ持っており、政府は、牛や水牛の周辺国への流出を食い止めるため、また逆に中小家畜の不正輸入による家畜疾病の国内でのまん延を防止するため、国境地域などでの家畜移動監視の強化を緊急の課題としている。アジア地域で猛威を振るう鳥インフルエンザ対策としては昨年12月31日付けでベトナムおよびタイからの家きん類の輸入を停止しており、DAHP局長は両国の清浄性が国際機関により確認されるまでこの措置を続けるとしている。 |
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ミャンマーは、2003年には約144万頭の乳牛が飼養されており、年間約80万トンの生乳が生産されていると見込まれている。この乳牛頭数の中には、妊娠牛、乾乳牛、未経産牛および子牛が含まれている。年間80万トンの生乳生産量は、近年生産の伸びの著しいタイの73万トン(2003年暫定値)を上回り、アセアン諸国の中ではトップとなっている。

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ミャンマーのヤンゴンにある畜水省家畜改良獣医局(LBVD)は3月12日、国際獣疫事務局(OIE)に対して、同国でH5N1型高病原性鳥インフルエンザ(AI)が発生したと報告し、13日に受領された。
報告によると、発生地はミャンマー中央部のマンダレー及びサガイン管区で、これまでに家きん 50,000 羽が死亡または処分されたとしている。病性鑑定はヤンゴンの中央病勢鑑定所(CVDL)とマンダレーの地域診断センター(RVDL)で行われ、対応処置は殺処分を原則とし、検疫と地域設定による移動制限を実施した。
現地の情報によると、2月末時点でマンダレーからさらに100キロメートル北にあるシュウボ市付近で死亡率が5割になる家きんの病気が確認されていたが、その時点では病名は不明であり、3月8日のマンダレーの発生でAIが確認されたとしている。
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AIと交代するかのように口蹄疫(FMD)が全国に広がっている。ベトナムの衛生当局から国際獣疫事務局(OIE)への報告によれば、1月下旬に南部のメコンデルタのカントー県で発生が確認されたFMDは、2月に入り中部高原地帯に広がり、3月以降も感染の拡大は続き、5月下旬までに全国64の県と都市うち36の地域で発生が確認されている。

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FMD対策として殺処分とワクチン接種を実施することとし、5月18日付けの首相指令738号により、適用期間を5月1日から終息までとした。FMD発生地域におけるワクチン接種に対しては全額政府補助、緩衝地域での接種には中央政府と地方政府が折半で費用負担をする。また、家畜を処分した農家や組合に対し、豚の場合1キログラム当たり1万ドン(68円:1円=146ドン)、牛、水牛、ヤギやシカの場合は同1万2千ドン(82円)を支給するほか、殺処分費や薬品代などとして、1頭当たり、牛と水牛に対しては15万ドン(1,027円)、豚やヤギなどに対しては5万ドン(342円)を支給することとした。
これと平行して政府は、動物衛生、税関、市場監視、国境警備および警察などの関係部署に対して家畜および家畜由来の製品の監視と、密輸などの違反に対する罰則の適用を強化するよう指示した。これは、特に国境を接する地域での牛や水牛の監視の目をくぐった売買が、同国へのFMDウイルス侵入の原因との観点から行われたとされている。
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2004年の発生以来、鳥インフルエンザの発生は確認されていなかったが(アクティブ・サベイランスで健康なアヒルから H5N1 が一度分離されている)、本年7月にビエンチャン近郊の2農場で発生が起こった。そのうちの1農場は 2004 年に発生した3農場のうちのひとつである。今回も発生が大きな広がりに繋がる前に、2農場のみに抑えることができた。 |
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豚の生産者販売価格が上昇し、年初には100キログラム当たり570リンギ(1万8千円:1リンギ=31円)だったものが、4月には過去最高の660リンギ(2万円)となった。価格上昇の原因は、1月に発生した口蹄疫に加えて、2月に再発した鳥インフルエンザによって鶏肉から豚肉への代替需要が発生した上に、最近においては、環境問題が原因による農場閉鎖が発生し、さらに供給が減少したためとされている。
農業・農業産業相は、会議において、マレー半島南部のヌグリスンビラン州に国営種畜育成センターを建設し、9MPの最終年である2010年には15万頭の牛の飼育を目指す構想を明らかにした。同センターは、国と州政府により指定された合弁企業が開発、運営を行い、また、海外からの投資を誘致するためにコンサルタントを置くことを決定したとしている。
マレーシアでは年間約12万トンの牛肉を消費しているが、国内消費量の約8割は海外からの輸入に頼っているのが現状であり、輸入額の削減を図ることがその目的であるとしている。
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3月16日には、DVSからペラ州で死亡した放し飼いの鶏からAIウイルスが検出されたとの報告を受け、同日付で同州からの家きんおよび家きん製品の輸入を停止した。ペラ州はマレーシアのアヒルの約7割を飼養し、1日当たり2万羽をシンガポールに輸出しているが、これはシンガポールで消費されるアヒルの86%を占めていた。AVAは、ジョホール州などからのアヒルの輸入が可能としながらも、輸入停止の影響を最小限にするため、オランダや米国からの冷凍アヒル肉の輸入の増加に努めるとした。
また、3月20日にAIの発生が確認されたペナン州に関しては、AVAの認定養鶏場はなく、シンガポールへの影響はないとしている。6月22日、マレーシア国内において3月20日以降に鳥インフルエンザ(AI)の発生が確認されていないことから、AIの清浄化が確認できたとして安全宣言を行った。マレーシア政府による防疫措置は3月22日に終了し、以来3カ月間AIの発生が無かったことから、マレーシア政府は国際獣疫事務局(OIE)に対しAI清浄化に係る最終報告書を提出していた。OIEの基準では、最終の防疫措置から3カ月間の監視期間を経て、清浄化が確認されれば清浄化宣言が出されることになっている。
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同国の輸入統計によれば、ここ数年の生体牛輸入頭数は35万頭前後になっており、2003年の輸入金額は6千7百万ドル(75億円:1ドル=112円)となっている。肉牛などの輸入が減らない理由に関して、同国科学協会(LIPI)は、近年の家畜飼養頭数の増加が年率1.3%にすぎないのに対して、人口増加率はそれを超える1.8%になっており、食肉供給の伸びが追いつかない状況になっている。 |
インドネシア政府は、5月から6月にかけて小規模な養鶏場や裏庭で飼われている家きんを対象としてワクチン接種を予定していた。計画では約6億ドースのワクチンが必要とされていたが、予算不足により購入できるのは1億2千万ドースにとどまるため計画の見直しが必要であるとされており、ワクチン接種に限ってみても、AIの感染拡大防止体制が十分とはいえない状態である。
今般、インドネシア政府は独自予算による関連職員への研修と、日本政府からの*貧困農民支援に係る見返り資金を活用して行う「迅速診断キットを用いた鳥インフルエンザ疫学調査能力の強化計画」を組み合わせることにより、鳥への感染を確認できるサーベイランス体制の早期の構築を目指すとしている。2006年における同資金の使用計画は総額約73億ルピア(約9千3百万円、100ルピア=1.28円)で、うち16億ルピア(約2千万円)がAI対策に係る予算額となっている。
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(2006年8月 プロジェクト調整員 遠藤 清美 記) |