Mt. Elgon National ParkDay 3

2 月 23 日 (月) (マウント・エルゴン国立公園の地図を見る)
      7 時起床。青木先生と河内さんのイビキがうるさかったと苦情が出る。筆者は河内さんのイビキに耳栓で対処し、ぐっすりと眠ることができた。8 時にキャンプを出発。しばらくダラダラとした上り坂が続く。竹林を過ぎると再び森になった。ガイドのフランシスがハイラックスを発見。3 匹が日向ぼっこをしていると言うが、我々にはなかなか見分けがつかず。フランシスが手をたたいて逃がしたところの様子を見て、初めて「ああ、あれだったのか」と気づいた。年の差もあるが、視力の違いは歴然としている。
      この森をしばらく歩いていくと突然視界が開け、草原に出た。左手の上にササ・パトロール・ハットが見える。UWA や軍のスタッフが数人常駐しているそうだ。景色がいいというので我々も行ってみることにした。100 メートルくらい登ることになるが、それほどきつくもなく程なくして小屋に到着した。なかなか立派な小屋で、無線の電波塔が立っているため携帯がつながる。最もここまで来て下界の雑事になどに引き戻されたくないのだが、、、。確かに景色はいい。遠くにジャクソン・サミットが見える。順番に記念撮影をしていると、山肌をすべるように雲が駆け上り、あっという間に青空が消え視界が遮られてしまった。まだ 11 時前だというのに残念だが、今日は移動日だからむしろ曇っていた方が歩くには涼しくていいかもしれない。

ササ・リバー・キャンプ近辺の竹林


竹林を過ぎ、再び森林地帯に入ったところでハイラックスを見つけた。


ササ・パトロール・キャンプを見上げる。

ササ・パトロール・キャンプへの分岐点

ササ・パトロール・キャンプからの眺め

青木先生も到着

ジャクソン・サミットを望む

視界は雲に覆われ、疲れて口数の減った 4 人


      小屋を後にしてしばらくすると、熱帯の高山に特徴的な giant heather を多く見かけるようになった。不思議な植物である。すっと伸びて枝分かれした幹のてっぺんに松ぼっくりよろしく大きな葉を広げ、その上に黄色い花を咲かせる。他にはハルジョオンのような白い花を咲かせる植物が目についた。大きな株は 2 メートル以上にも生長している。ここは既に標高 3,000 メートルを超えているはずだ。日本の山であれば植物などはほとんど見られず、三途の河原のように岩や石などがゴロゴロと転がっていることだろう。やはり緯度が低い赤道近くでは、標高が上がっても随分と違うものだと感心した。(エルゴン山植物相の分布図を見る)

ササ・パトロール・キャンプあたりから植物相が変わる。

このあたりから giant heather (ギリュウモドキ) が見られるようになる。


ポーターの一団、荷物は頭に担ぐ。

みんなで記念撮影


左奥にムデ・ケイブ・キャンプが見える。


ムデ・ケイブ・キャンプ

      昼過ぎにはムデ・ケイブ・キャンプに到着した。キャンプ近辺の木々は何故か幹や枝が真っ黒である。こういう種類の木なのかなとも思ったが、燃えた痕のようにも見えたのでフランシスに聞いてみたところ、数ヶ月前に火の不始末からケニア側で山火事が起こり、それがここまで広がったのだそうだ。その時には UWA のレンジャーや軍のパトロール要員が総動員され、消火活動にあたったとのこと。小屋を守るためにまわりの草や木を刈り倒し、何とか延焼は免れたという。
      今日は全行程 4 日間の中で最も楽な日だと複数の人から聞いていたが、昼に目的地に着いてしまうとやはりちょっと物足りなく感じた。時間を持て余した我々は食事を作ることで時間つぶしにかかったため、午後はずっと何かしら食べ続けていたような気がする。その名の通り、ムデ・ケイブという洞窟が近くにあったはずだが、時間が腐るほどあったにもかかわらずそれを見に行くことすら忘れてしまった。ポーターたちは谷を下りて水を取りに行っていたので、ここにも水場は近くにあったはずだ。夕飯は野菜カレーにパスタ。日本のカレールーを使ったのでなかなか美味であった。26 皿分のルーを使ったので今日も食べきれず、明日の朝食分を取り分けた残りをポーターたちにお裾分け。彼らは多分、ポショかマトケといっしょに食べたことだろう。
      キャンプには新しい登山客用の小屋があった。内部の整備が終わっていないために未だ使われていないらしいが、この中で寝ても O.K. との了解を得て、イビキをかかない 3 人がこの小屋で、イビキ組の青木先生と河内さんはそれぞれ別のテントで眠ることになった。今日は 8 時半に就寝。昨晩よりは一段と寒さが厳しく、久芳さんは足が冷えて眠れなかったらしい。一方、高血圧の筆者は体の隅々にまで血液が行き渡り、それほど寒い思いはせずに眠ることができた。

ムデ・ケイブ・キャンプの新しい小屋

食事の準備

キャンプ近くに咲いていた花

キャンプ近辺にて

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2009 年 3 月 長期専門家 柏崎 佳人 撮影・記
"エルゴン登山"のスライドショーをダウンロードする。(File Name: MtElgonNP.mov)