| 活動の概要 | 研修コース | 2005年度前半 | 2005年度後半 |
| 2006年度前半 | 2006年度後半 |
2006 年度前半の主なプロジェクトの活動(9〜12月)
9月
4~5日
タイの畜産について遠藤調整員(手前)から説明を受ける学生たち(奥の5人)。「犬にパスポートを食べられ、再発行が必要」という、ある意味では獣医学生らしい理由で若干1名の到着が遅れ、家畜衛生研究所には5名での訪問となった。
鹿児島大学農学部獣医学科から3週間の予定で5年生6人が来タイし、プロジェクトサイトを訪問した。JICAタイ事務所の元副所長であった高間氏が鹿児島大学に赴任された後、これまでに築いてこられたタイとのパイプを活用し、今回の研修が実現した。タイにおける研修プログラムはカセサート大学が準備し、学生6人の面倒を見ることになった。カンペンセン・キャンパスでの実習や国立公園への訪問、タイ東北部コンケンへも足をのばす。
タイ国立家畜衛生研究所を見学。左の写真:Dr. スラポン(後姿)の説明を聞く学生たちと高間教授(左端)。右:病理研究室で Dr. キティポン(右から2人目)の説明を聞く。
6~16日 柏崎長期専門家、ベトナムの獣医診断センターへ出張。昨年度実施した出血性敗血症ワクチンの野外試験に係る再検査と、ブルセラ病 ELISA の技術指導を実施。
25~29日 ミャンマーにおいて動物検疫官を対象とした「鳥インフルエンザおよび越境性家畜疾病の診断技術改善」についてのセミナーを開催。それに併せて佐々木チーフアドバイザーと遠藤調整員が出張した。
26~29日 カンボジアの家畜衛生生産研究センターへ柏崎長期専門家が出張し、感染血液からのトリパノゾーマ原虫の分離精製に係る技術指導を実施した。
10月
2~8日 タイ人専門家の Dr. ワンタニーがベトナムの診断センターへ出張し、鶏伝染性コリーザの原因菌であるヘモフィルス菌の分離・同定技術を指導した。
4~6日 カンボジアにおいて動物検疫官を対象とした「鳥インフルエンザおよび越境性家畜疾病の診断技術改善」についてのセミナーを開催。それに併せて佐々木チーフアドバイザーと遠藤調整員が出張した。
8~21日 タイ人専門家 Dr. ウドム(病理組織診断)および Dr. ピチェット(類鼻疽病およびヨーネ病血清診断)が、昨年に引き続きラオス家畜衛生センターを訪れて技術指導(4度目)。二人の地道な指導により、センターにおける病理組織診断と血清診断能力が飛躍的に向上した。また柏崎長期専門家は9~13日にかけてオーエスキー病の血清中和試験に係る技術を指導した。
同じく昨年に引き続きタイ人専門家 Dr. サティスがルアンプラバンの「ラオス森林管理・住民支援 (FORCOM) プロジェクト」を再び訪れ、プロジェクトサイトにおいて家畜衛生サービスの啓蒙普及活動と病態調査のためのサンプリングを行った。前半はサイヤブリ県、後半は北部のルアン・ナムター県を巡回。後半には柏崎長期専門家と家畜衛生センターから Mr. アンポンペットが同行した。
16~19日 タイ人専門家 Dr. サンチャイがラオス家畜衛生センターに出張し、獣医疫学に関するセミナーを開催した。主として疾病の調査を実施する場合の計画立案法、適切なサンプルサイズの算出法、検査結果の分析法等について、理論的に説明を行った後、ラオスの現状に即した調査法について参加者と議論した。
18~20日 ベトナムにおいて動物検疫官を対象とした「鳥インフルエンザおよび越境性家畜疾病の診断技術改善」についてのセミナーを開催。それに併せて佐々木チーフアドバイザーと遠藤調整員が出張した。
22~26日 ラオスのルアンプラバンにて開催された FAO 主催による鳥インフルエンザに係る国際会議に、佐々木チーフアドバイザーが出席。
30日~
11月10日
      ブルセラ病の専門家、Dr. モナヤと Dr. レーカ、レプトスピラ病の専門家、Dr. ドアンジャイと Ms. パチャリンがミャンマーのワクチン製造部と病勢鑑定ラボへ出張し、診断技術の改善に係る技術指導を行う。また柏崎長期専門家も同時期に出張し、豚コレラおよびオーエスキー病の血清診断に係る技術指導を実施した。
      Dr. モナヤと Dr. ドアンジャイは昨年も訪れて技術指導を行っている。今回、Dr. モナヤはワクチン生物製剤部のブルセラ・ユニットにて ELISA 抗原の精製法と ELISA のセットアップに係る技術を移転。Dr. ドアンジャイは診断センターの細菌学セクションにおいてレプトスピラ細菌の培養・継代、顕微鏡凝集試験、蛍光抗体による抗原検出法を指導した。Dr. レーカと Ms. パチャリンはタイ動物衛生研究所の若手スタッフであり、今回は経験を積む良い機会としてベテラン2人に同行し、サポートを行った。
      今回は準備をしっかりと整えて臨み、かつ、ちょうど 20 年前の無償供与による機材の更新が実施された直後であったため、技術移転を順調に進めることができた。
畜産獣医局の正面にて。左からミャンマー人スタッフ(ブルセラ)のツィン・マール、モナヤ、レーカ、パチャリン、 ドアンジャイ、ミャンマー人細菌学スタッフのセン・ダー、同じく血清・ウイルス学スタッフのキン・オンマール。
11月
13~15日 "Achievements by Phase I and Prospective for Phase II" と題した特別会議を主催し、これまでの成果とフェーズ2に向けた各国の要望を取り纏めた。会議には各国から NC を含めて3名の参加者を得(ミャンマーとカンボジアからは局長が出席)、JICA本部からは多田専門員と奥地チーム長が加わった。
16~18日 カンボジアの家畜衛生生産研究センターへ柏崎長期専門家が出張し、翌週に派遣されるタイ人専門家2名のサポート業務を行う傍ら、これまでに行った野外調査の報告書の内容について坂井田隊員と協議を実施した。
19日~
12月2日
タイ人専門家の Dr. モンタカンと Dr. ワチャラチャイがカンボジアの家畜衛生生産研究センターへ出張し技術移転を行った。Dr. モンタカンは寄生虫学および血液学研究室のスタッフを対象に、肝蛭およびトリパノゾーマ原虫に対する抗体の検査法 (ELISA) に関する指導を、一方 Dr. ワチャラチャイは細菌学研究室においてサルモネラ菌の血清型別に係る技術指導を実施した。今回の派遣はカンボジア側からの要請により実施を決め、3ヶ月以上前から日程等を知らせていたにもかかわらず、細菌学研究室のスタッフが時期を同じくして他の研修に出てしまい、Dr. ワチャラチャイの技術指導を受けなかった。カンボジアでは往々にしてこのような事態が起こるため、今後の改善に期待したい。
20日~
12月2日
ベトナムの獣医診断センターのウイルス学セクションから Dr. Tong Huu Hien と Dr. Nguyen Tung 来タイし、家畜衛生研究所のウイルス学セクションにて細胞培養とウイルス分離法に係る研修を実施した。ベトナムの獣医診断センターでは本プロジェクトを通して細胞培養法を確立すべく取り組んできており、この研修をもってウイルスの分離が可能になると期待される。
29日~
12月5日
柏崎長期専門家、何かと問題の多いミャンマー中央部マンダレーの地域診断センターへ再出張。引き続き細胞培養および豚コレラの診断法に係る技術移転を実施した。
30日~
12月2日
ミャンマーのタチレイクにおいてミャンマー・タイ国境家畜移動管理ワークショップを OIE と共同開催した。タイ側からは Dr. チャウィワン次局長を初め25名の、ミャンマー側からは Dr. マウン・マウン・ニュント局長を初め35名の参加者を得た。本ワークショップの主役は家畜商およびローカル関係者(検疫官、国境警察、国境警備軍)であり、口蹄疫対策を中心に据え、正規のルートで国境を越える牛に対する、実情に合った検疫の方法が討議された。この開催に合わせて佐々木チーフアドバイザーと遠藤調整員がミャンマーへ出張した。
12月
12~15日 柏崎長期専門家、ベトナムの獣医診断センターへ出張。
24日 プロジェクト終了。