今後の展望
野外における感染症の予防と防圧を効果的に進めるため、プロジェクト活動についての今後の方針をこれまでの研修中心の活動から、参加各国での実際の家畜衛生改善活動にシフトしていくことが期待されている。周辺各国から要請されている国内活動はいずれも研修を終えた研修員を中心にした地域活動であり、本プロジェクトとしてはタイ、マレイシアからの専門家派遣、少額機材供与、家畜衛生情報の共有などを通して支援していく方針である。
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本プロジェクトは広域プロジェクトとしての性格上、インドシナ地域で活動している他の援助機関との提携が必須であり、特にFAOとOIEとはワークショップの共同開催、専門家の供給源としての相互参加、共同事業計画を通して、深い連携関係を維持している。
本プロジェクトが目指すような複数の国にまたがる広域的な技術協力は、新しい国際協力の仕組みに属する。口蹄疫や鳥インフルエンザのような感染症対策では特に国際的な協調が欠かせない。すなわちこれまでの技術協力の成果を、当該国のみならず周辺国や関係国に効果的に波及させようというだけでなく、地域の家畜衛生当局および関係諸機関の連携と協調を促進し、一国だけでは達成できない課題に対処しようとするもので、地域に対する我が国の貢献としても極めて意義深いものがある。プロジェクトの残存期間はあと2年弱となったが、今後とも関係機関および関係者の支援と協力を得て、予期した成果が達成されることを期待している。(プロジェクト・チーフアドバイザー 佐々木正雄)
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