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ミャンマーにおける活動計画(2005年度)

背景・目的

ミャンマーでは1988年の政変以来、恒常的な財政難に悩まされ、家畜衛生センターの診断能力が大幅に低下している。またそれは民主化の遅れから他援助機関の協力がほとんど行われていないことにより拍車がかかっている。そのような状況下でもワクチン製造センターにおけるワクチン生産は継続・拡充されてきたが、到底国内の需要を満たすだけの量を生産する能力はなく、口蹄疫が数年おきに大発生を繰り返すという状況が続いている。幸いにも地方3カ所(マンダレー、パテイン、タウンジー)を含む4カ所の家畜衛生センターに対して、1985年から1987年にかけて行われた無償資金協力「家畜衛生センター機材整備計画」のフォローアップによる機材の大幅な更新が決まった。それゆえ本プロジェクトでは機材供与に関してはワクチン製造関連に重点を置きつつ、協力体制・人材の強化、家畜疾病診断技術の向上、ワクチン生産・品質管理技術の向上、動物検疫技術の向上を4つの柱としてミャンマーにおける家畜疾病の防除を進めている。

活 動

1. タイ、マレイシアにおける研修への参加
    タイにおける研修:
        豚コレラ・オーエスキー病診断
        人畜共通感染症診断
        口蹄疫診断・監視
        ワクチン品質管理
        検疫技術改善
    マレイシアにおける研修:
        鳥インフルエンザ診断・監視


高田短期専門家による鳥インフルエンザ診断に係る技術移転

2.専門家派遣による家畜衛生センターの診断技術の強化
    以下の疾病について専門家を派遣し、その診断技術のレベルアップを図る。
        a) 豚コレラ(主としてウイルス培養法、タイ人、マンダレー診断センター)
        b) 鳥インフルエンザ(タイ人)
        c) ブルセラ病(タイ人、日本人)
        d) レプトスピラ病(タイ人)
        e) 病理部門の底上げ(凍結切片の作り方を含む、タイ人、もしくはマレイシア人)
        f) 結核病(タイ人、日本人、マンダレー診断センター)
    細菌分野の日本人短期専門家は、主としてミャンマー人スタッフがタイやマレイシアで修得した技術の定着化に努め、疾病診断センターとしてのレベルアップにつながるようなシステム全体の改善を担当する。加えて稼働していない機材の修理を行うため、機材保守の日本人短期専門家を派遣する。

3. 専門家派遣による口蹄疫部・ワクチン製造部のワクチン製造技術の強化
    ワクチン製造部では、当プロジェクトでブルセラワクチン製造技術の研修を受けたスタッフが帰国後、新たにブルセラワクチン・抗原製造部門を立ち上げ、機材を整え、既にワクチン用のシードを生産する段階まで進んでいる。将来的にワクチンに加えて診断用の抗原(Rose Bengal, Tube Agglutination用)の生産を望んでおり、タイにおいて研修を担当したスタッフを専門家として派遣し、この部門を軌道に乗せたいと考える。
    また機材保守の日本人短期専門家を派遣し、口蹄疫部・ワクチン製造部の機材の点検・整備を行い、効果的なワクチン製造システムの強化に努める。

4. In-Country Activityの実施(1. 豚コレラに係る疫学調査2. 口蹄疫に係る疫学調査

投 入

1. タイ、マレイシアにおける研修へのスタッフの派遣(上記参照)
2. タイ人専門家(豚コレラウイルスの培養、鳥インフルエンザ診断、レプトスピラ病診断、ブルセラ・結核病診断、病理、等)
3. マレイシア人専門家(病理、等)
4. 日本人専門家(長期、短期3名:一般細菌病、鳥インフルエンザ、機材保守)
5. 2005年度機材(アルミジェルアジュバント生成タンク、口蹄疫ウイルス培養システム一式)