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2008 年度後半の主なプロジェクトの活動( 10 〜 3 月)
10 月
31 日 柏崎長期専門家、休暇一時帰国を終えウガンダへ戻る。11 月 3 日より職場復帰。
11 月
7 日 農業省アドバイザー多田専門員と柏崎長期専門家がマケレレ大学獣医学部を訪問し、12 月初めに予定している技術交換セミナーについての打ち合わせを行った。
25 日
北林さんの説明を受ける。左から上田君、内藤さん、北林さん
協力隊 家畜飼育短期隊員の上田君 (宮崎大獣医学科卒の獣医師) と、JICA ウガンダ事務所にて OJT 研修を行っている新人職員の内藤さんが当プロジェクトのサイトであるエンテベのラボを訪れた。そのついでに環境教育隊員 北林さんの任地であるウガンダ野生生物教育センター (Uganda Wildlife Education Centre: UWEC)、いわゆるエンテベ動物園にも案内し、ウガンダに生息する野生動物についての知識を深めてもらった。この動物園は横浜ズーラシアとの協力関係を推進している。
UWEC の獣医ユニット (Veterinary Unit)。簡単な治療室、検査室の他に、検疫施設、病獣舎などもある立派な建物だ。 ウガンダ観光のひとつの目玉であるハシビロコウを前にする 3 人。オスかメスかの判定でさえ難しいらしい。日本でも飼育されているが、繁殖には成功していない。
26 日 洲崎 JICA ウガンダ事務所長が 3 年 8 ヶ月におよぶ任期を終えて本日帰国された。関 新所長が洲崎 前所長の見送りがてらエンテベを訪れ、当プロジェクトサイトを見学に来られた。
28 日
カンパラからキボガへの途上
キボガの畜産スタッフ、ロバートから「ローズ・ベンガル液がなくなった」との連絡を受け、診断液を届けにキボガまで出かけた。自家製のローズ・ベンガル液で最初のバッチである。事務所ではロバートと Dr. カムラシから最近の様子を聞き、1月末頃の赴任を予定している短期隊員と実施する活動内容について、彼らの意見を聞いた。日本へ研修に行っていた Dr. ンセレコは数日前に戻ったらしいが、この日はカンパラへ出かけたとかで日本の印象を聞くことはできず !!
12 月
1 ~ 6 日 ---> プロジェクト強化週間
日本大学獣医学科から佐藤雪太講師、ザンビア大学獣医学部からは Dr. シヤカリマと Dr. ズルを招いて当プロジェクトおよびウガンダの家畜衛生状況を視察していただき、プロジェクト活動の成果と今後に向けた展望について意見を聞いた。---> 詳細を読む
1 日 招待者 3 名が到着。バンコクのタイ国立家畜衛生研究所からも 2 名の研究者を招待していたが、周知の通り反政府派によるスワンナプーム空港の閉鎖を受けて来ウガンダを断念せざるを得なくなった。
2 日 農業省への表敬訪問、およびプロジェクトのメインサイトである家畜疾病診断・疫学ラボラトリーの視察。
3 日
セミナーにて意見交換をする参加者
家畜疾病対策にかかる技術交換セミナーを開催した。出席者はザンビアおよび日本からのゲストに加え、ウガンダ農業省、マケレレ大学獣医学部、動物資源研究所、JICA ウガンダ事務所から約 30 名が集まった。タイ、ザンビア、ウガンダにおける高病原性鳥インフルエンザおよびブルセラ病の防疫対策、タイおよびザンビアにおける日本との技術協力についての発表をもとに、ウガンダにおける家畜疾病対策と、日本の技術協力について意見交換を行った。
4 日
マケレレ大学獣医学部前にて記念撮影
ザンビア人および日本人一行がマケレレ大学獣医学部を訪問した。学部長である Dr. カバサのアレンジにより、まずは各研究室の室長たちとの意見交換を行った。現在、申請中である新しい JICA プロジェクトでは、マケレレ大学をメインサイトとしていることからそれに対する期待と決意がマケレレ大学側から伝えられた。他にも、ザンビア大学とマケレレ大学、日本大学とマケレレ大学の大学間連携についても多くのアイディアが出され、前向きな姿勢が示された。
5 日
キルフラの農場にて酪農家から話を聞く。
早朝の便でザンビアからの 2 名が帰国し、日本人グループで西部のサブサイトであるムピジ県とキルフラ県を訪問した。ムピジ獣医事務所では Dr. カバンダとムソケからプロジェクト活動とムピジ県の現状について説明を受けた。キルフラ県のカゾ獣医センターにおいては、Dr. ムギシャとカトーから話を聞いた。その後でカゾ・サブカウンティー内の農場を訪れ、農家の方から酪農についての話を伺い、ウガンダの長角種であるアンコーレ牛を見せていただいた。
6 日
エンテベ空港にて佐藤講師を見送る。
この日はまずキルフラ県のサンガに寄り、獣医センター跡を視察した。以前、ドイツのプロジェクトを実施していたサイトであるが、その後のサイト管理の不備により廃墟と化している場所である。キルフラ県獣医官である Dr. ムギシャはまだここの再興を望んでおり、多田専門員や佐藤講師にもその可能性をお聞きしたく、お連れした次第である。キルフラからの帰途、赤道の碑に立ち寄ってからエンテベへ向かい、日本へ帰国する佐藤講師を見送った。
18~19 日 長期専門家、東部へ出張。まず、ナムトゥンバで隊員4人と農家を訪問し、チューブ式バイオガス装置についての話を伺った。この農家では 9 年にわたりチューブ式でバイオガスを産生していたそうであるが、近隣住民の妬みをかい、壊されてしまったという。費用は約 30 万シリングと安い。試験的に始めるには良いかもしれない、と感じた。この後、ムバレとクミに寄り、獣医事務所にて最近の様子を聞き、短期隊員の受け入れについて打ち合わせをした。
1 月
20~21 日 短期隊員の活動内容に係る打ち合わせと、プロジェクト終了に向けた今後の予定を説明するために、柏崎長期専門家が東部ムバレおよびクミ獣医事務所へ出張。
22 日 短期隊員の活動内容に係る打ち合わせと、簡易ラボの改装準備のため、柏崎長期専門家がムピジ獣医事務所へ出張。
26~27 日 供与機材 (インキュベーターおよびオートクレーブ) の搬入と短期隊員の活動内容に係る打ち合わせのため、柏崎長期専門家がキルフラ県カゾ獣医センターへ出張。ソーラーシステムからの電源でインキュベーターがうまく動作せず、再びエンテベまで持ち帰ってきた。
2 月
3 日 第三次短期隊員 3 名のうち 2 名が到着。ムバレに行く平野さんと、キルフラに配属される古山君だ。ムバレは 3 代続けて女性隊員、大学では前任者 2 人の一年後輩である。キルフラは 1 年以上のブランクを経て隊員を受け入れる。一緒に赴任したのは出戻り組の増井さんと上原さん、それに新しく PC インストラクターとして赴任した牧本さんの計 5 人であった。左写真: 左から古山君、牧本さん、上原さん、増井さん、平野さん。
6 日 仕事の打ち合わせ任地へ携行する消耗品・薬品類の取りまとめのため、平野さんと古山君がエンテベの診断センターを訪問。ムピジ獣医事務所用の物品を届けるためエンテベより直接ムピジを訪れ、上田隊員との初対面を果たした。
8 日~
3 月 15 日
マケレレ大学獣医学部の講師 Dr. エディーが日本大学にて本邦研修を開始した。今後、プロジェクトのベースをエンテベの診断ラボからマケレレ大学に移そうという構想の下、マケレレ大からひとり日大へ技術研修に送ることに決定。獣医学部長 Dr. カバサの推薦により、大学の診断ラボに所属するエディーが研修を受けることになった。内容は細胞培養およびウイルスの分離・同定と、免疫組織病理検査である。左写真: エディー (右) と佐藤講師。---> 研修の様子を見る。
9 日 カンパラでの 1 週間の研修を終え、平野さんは協力隊調整員の末満さんとムバレへ、そして古山君は柏崎長期専門家とキルフラ県カゾ獣医センターへ赴任した。インキュベーターを再度搬送し、今回は UPS (uninterrupted power supply) とボルテージガードにかませて稼働させた。前回よりは動作が安定してきたものの未だにエラーメッセージが出るため、定電圧装置 (Stabiliser) を通さなければインバーターからの電力供給が安定しないのだろうと思われた。
13 日 長期専門家、ムピジ獣医事務所へラボ用の机および棚を運搬。
15 日 長期専門家、定電圧装置 (Stabiliser) を携えて再びカゾ獣医センターへ。2 キロワット用のものを買ったのだが、どうも容量が大きすぎるのか、インバーターからの供給が十分ではないというエラーが出た。バッテリーをさらに充電してからもう一度試してみることにした。なかなか一筋縄には決着させてくれないようだ。古山君はキルフラでの生活にも慣れ、向こうのスタッフや学生たちとうまくやっている様子。左写真: カトー (右) と古山君。
カゾ近郊。丘陵地帯が続く。土地が痩せていて農耕には適さないようだ。 牛横断地点の標識。道沿いのあちこちにあるが、牛はどこでも横断している。
19 日 長期専門家、ムピジ獣医事務所へラボ用の棚を運搬。
26~27 日 長期専門家、ムバレへ出張。平野さんのサンプリングに同行したが、事務所畜産スタッフの不手際によりサンプリング地に全く家畜が集まっておらず、結局この日の採材は中止となった。それゆえ午後はクミ獣医事務所まで出かけ、来週に迫った最後のプロジェクト JCC 会議に係るレターを届けた。左写真: すっかりきれいに整備された事務所の簡易ラボで検査をするエチュー (手前) と平野さん。
3 月
3 ~ 4 日 短期隊員古山君の活動を視察しに、キルフラへ出かけた。当日はカゾ獣医センターからさほど遠くないケンシュンガ・サブカウンティー内の 3 農場を訪れ、約 50 頭の牛から採血をした。今週からはフィールド・アシスタントのエンマが採材に参加。フィールドでの活動はなかなか順調な様子であったが、センターは電気関係のトラブルが多く、ラボワークの方が思うように捗っていないとのこと。ソーラーシステムは難しい。---> 詳細を読む
6 日 プロジェクトにとって最後となる、第 3 回 JCC 会議と第 4 回 SC 会議を開催した。JICA 事務所から関所長と藤家職員に参加していただき、こぢんまりとした会議ながらも心地よい緊張感のある時間が流れていた。柏崎長期専門家から活動・成果の報告、多田専門員からプロジェクト評価および次期案件の発表を受け、討議となった。一番の問題は農業省内の人材不足にある、という点で出席者の考えは一致していたが、その解決策はまだまだ見えてこないようだ。
8 日 日本大学生物資源科学部獣医学科において研修を受けていた Dr. エディーが本日帰国した。
9 日 短期隊員千葉君の活動視察を目的にキボガへ出張。インキュベーターが作動しなくなったとのことで、医療機器隊員の吉野くんにも同行してもらった。県南部のブコメロで落ち合い、そこからドゥワニロ・サブカウンティーへと向かった。キボガには長角種のアンコーレが多い。しかし体色を見るとかなり交雑が進んできたように思える。2 ヶ所の牧場を回り、 牛 4 群+山羊から 120 検体を採材。その後、事務所にて吉野くんが故障している機材 3 つ (インキュベーター、煮沸器、ヘマトクリット用遠心器) を修理した。---> 詳細を読む
18~20 日 短期隊員平野さんの活動視察および任地引き上げ支援のため、長期専門家がムバレへ出張した。先月にも一度活動の視察に足を運んだのであるが、その時はサンプリング自体が空振りに終わったため、再度行くことになった。今回のサンプリング地はブシウ・サブカウンティー。ムバレで最も人のいい獣医師フィリップが担当する地区である。小学校の校庭でサンプリングを開始。地域住民から信頼されているフィリップの指導の下、採材は順調に進み、昼前には予定していた検体数を集め終えた。---> 詳細を読む
19 日 公式には本日をもって当プロジェクトが終了した。柏崎長期専門家は短期隊員 3 名の支援と、間もなく到着されるシニア・ボランティア近藤さんとの業務引継のため、1 ヶ月任期を延長することになり、4 月 18 日まで当地に残る。当プロジェクトは既に後継案件が本部にて採択されており、来年度後半には開始される見込みである。
24~27 日 先週末、各隊員が任地での任務を終えカンパラに集まった。今週はムピジに赴任している上田くんも加わり、採材したサンプルについてブルセラ病の確定試験 (ELISA) を、エンテベにて実施する予定になっている。初日は ELISA プレートと凝集試験用の丸底プレートを取り違え、一日の作業がすべて水泡と化した。2 日目はそれなりにうまく検査は進んだが、3 日目には若干後退。そして 4 日目の前半は再びドツボにはまり、後半に何とか持ち直してすべての検体の確定試験を終えた。
26 日
左から平野さん、坪井専門家、千葉くん、古山くん
今日は午前中、ナムロンゲにある穀物資源研究所に出かけ、専門家の坪井さんからネリカ米の研修を受けた。ネリカ米は陸稲であり、栽培が簡単なことと収量が多く収穫までの期間が短いことから、アフリカにおける米の増産に向けて最も期待されている品種である。坪井さんはこの地で 4 年前からこの品種の普及に尽力されている。昨年からは JICA の技術協力プロジェクトとなり、専門家も増え、この分野における日本の協力の要となっている。この日、短期隊員 3 名はネリカ準 3 級の認定書を授与された。
シニア・ボランティア (SV) の近藤さんがウガンダに赴任された。近藤さんは長年北海道の家畜保健衛生所にて家畜疾病診断に従事されてきた診断のプロであり、今後、当プロジェクト・フェーズ 2 が始まるまで、このエンテベのラボにおいて診断部門スタッフのスキルアップを担当して下さる。
30 日 上田くんを含む短期隊員 4 名の報告会を事務所にて開催。発表を聞き終えた後、今後の獣医隊員派遣要請方針について、関所長、多田専門員、藤家職員、上野調整員、末満調整員、および筆者で話し合いを持った。
31 日 短期獣医隊員の 3 名 (古山、平野、千葉) が帰国の途についた。
4 月
3 日
キボガ獣医事務所のスタッフと近藤
SV (左から二人目)
近藤 SV と共にキボガ獣医事務所へ出張し、Dr. カムラシやンセレコ、他、研修生 2 人と今後についての話し合いをした。内容は近藤さんとの連携方法や、次期プロジェクトにおける活動内容、キボガにおける家畜衛生分野の問題点等々であり、獣医事務所のスタッフが状況改善のために様々なことを考えている姿勢がよく伝わってきた。特に昨年、日本で研修を受けてきた Dr. ンセレコは、両国の違いを目の当たりにして思うところが多いようであった。
6 ~ 7 日
NALIRRI にて、近藤 SV (左)
長期専門家が近藤 SV と共に東部へ出張。ムバレ獣医事務所においては所長の Dr. ウェレと話をすることができたが、クミ獣医事務所では所長の Dr. オンヤイトに約束をすっぽかされ、施設の見学だけに終わった。翌朝、トロロの動物資源研究所 (NALIRRI) を訪れ、数人のスタッフから話を聞いた。ここも研究費をドナーに依存しているような状態であるため、活発に研究を進めているようには見えなかったし、その内容にしても現実的な問題に根ざしているとは考えられなかった。
14~15 日
23 日 柏崎長期専門家、帰国。

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