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2007 年度後半の主なプロジェクトの活動( 10 〜 3 月)
10 月
1 日 協力隊の小畑調整員と共に、キボガへ出張し、短期派遣隊員受入の最終確認と、居住先の安全確認を行った。住居として前回訪問時に申し出のあったゲストハウスではなく、医者用住宅を提供したいとのこと。しかしその後電話があり、医者用住宅は状態が思ったよりも悪いとのことで、やはり初めの計画通りゲストハウスを使うことになった。
2 日
協力隊短期派遣隊員 4 人がウガンダに到着。プロジェクトの支援機関である日大生物資源科学部大学院博士課程 1 年目の 3 人と、宮崎大学大学院博士課程に在学中のベテラン臨床獣医師 1 人の計 4 名である。左の写真はエンテベのラボでツベルクリン試験のデモンストレーションをしているところ。右から宮崎大の小林さん、日大の中田さん、松波くん、平野くん。
8 日 最初の1週間はカンパラで挨拶回り、仕事の打ち合わせ、携行する機材・薬品類の仕分け、歓送迎会などをこなし、8 日にまず日大の 3 人が任地へ赴任。東部へ行く平野くん (クミ) と中田さん (ムバレ) は、JICA 事務所の車で小畑調整員とともに、そして松波くんは筆者といっしょにプロジェクト・カーでキボガへ向かった。翌日が独立記念日の祝日であったため赴任日が 10 日に延びた小林さんも、松波君の任地であるキボガへ同行した。
独立記念日の式典の打ち合わせがあり、松波くんの宿泊先であるゲストハウスには県知事が控えていた。県知事と談笑する松波くんは心なしか緊張している。 キボガ事務所のスタッフと。右から所長の カムラシ、キワヌカ (プロジェクトのドライバー)、ンセレコ、松波くん、小林さん。
この日、カンパラへ戻るとラボ・テクニシャンである Zacc Duluga が急逝したとの知らせが入り驚いた。先週、ラボで会ったときにはいつもと変わらぬ様子で話をしていたのに、こんなに早く亡くなるとは。まだ 50 才そこそこで、肝臓を患っていたらしい。ラボの改修に係る工事で、様々なアレンジメントを担当してくれていた。ご冥福をお祈りしたい。
10 日
左からカトー、ルシータ、小林さん。
小林さんと共に一路キルフラへ。小林さんはこれから 2 ヶ月間、この地で暮らすことになる。改修工事はほぼ終わり、屋根は新しいトタンに葺き替えられ、蛇口からは水が噴き出し、電球には灯りが点るようになっていた。電圧が高いのかブーンという音がするため、ちょっと恐くて顕微鏡などはつなげないと言うが、これもスタビライザーを通せば解決できるだろう。落ち着くまでにはもうしばらく時間がかかりそうである。---> 詳細を読む
11日 マサカからカンパラへ戻る途中ムピジ獣医事務所に立ち寄り、ラボにする予定の部屋を視察。この事務所には流しが全くないため、検査室を作るには無理がある。しかしだからと言って何もせずに放ってはおけないので、とにかく始めてみて徐々に改善していくことにしたい。ムピジでは 10 名の村落開発隊員に協力を仰ぐことになる。この事務所には増井さんが赴任しており、これから先、力を借りることが多くなりそうだ。
25 日 ムピジ県に派遣されている村落開発の隊員が、牛耕をムピジに導入するための第一歩としてセミナーを開催。筆者もオブザーバーとして参加させていただいた。参加者は主として県農業事務所のスタッフであり、特に東部での牛耕の様子を紹介し、牛耕を導入するにあたっての留意事項を中心に説明を受けた。今後、牛耕の導入を真剣に望むモデル・ファームを募り、徐々に牛耕を広めていく考えだ。写真: 増井さんの発表に聞き入る参加者
26 日 大阪府大の集団研修コース「家畜疾病診断法」に参加しているデオが、日本大学生物資源科学部獣医学科を訪問した。当日はプロジェクトのコーディネーター的役目を担っている佐藤専任講師にお願いし、デオの引率をしていただいた。大阪に戻ったデオからの E-メールによると、日大の設備や研究施設、スタッフの勤勉さなどにいたく刺激を受けたようで、「今後とも日大との関係を息長く続けていきたい」と締めくくっていた。
29 日 短期隊員の活動視察を目的に、キボガへ出張。松波くん、カウンターパートのロバートおよびモーゼス、研修中の女性スタッフとフィールドへ出かけた。農場を 2 ヶ所まわり、山羊 25 頭、牛 25 頭ずつ、計 100 検体を採取。両農場共に約 600 頭を飼育する大農場であり、薬浴槽や追い込み柵などの設備も整っていた。ブルセラの症状 (睾丸の腫大) を呈している雄の山羊を発見。ウガンダ人の牛の扱いが荒っぽいのには驚いた。---> 詳細を読む
31 日~
11 月 2 日
短期隊員の活動視察を目的に、ムバレおよびクミへ出張。まずムバレに寄り、中田さんに様子を尋ねる。ムバレでは血液原虫が多いらしく、特にトリパノゾーマは塗抹でも頻繁に見つかるらしい。写真左はムバレの事務所で、中田さんと所長。その後クミへ向かい、平野くんのフィールド活動に同行。カウンターパートのイマリガに加え、サブカウンティーのスタッフも加わった。キボガとはうってかわって牛が小さく、農家も小規模である。---> 詳細を読む
11 月
3 ~ 4 日 短期隊員 4 名がカンパラに集合し、近況報告・意見交換を行った。また日大側のプロジェクト担当者である佐藤専任講師とともスカイプを使って近況報告をした。
5 ~ 7 日 短期隊員の活動視察を目的に、キルフラへ出張。到着してすぐに LSD のワクチン接種に出かけた。翌日はサンプリングで農場 3 ヶ所を訪問。どこもなかなか立派で広大な草原が続き、牛が集まるまでの待ち時間はかなり長かった。シマウマが 3 頭、草を食んでいた。3 日目は屠場検査で結核病変が見つかった農家に出かけ、50 頭ほどの牛にツベルクリン検査を実施した。しかし小林さんによれば結核結節には見えなかったという。---> 詳細を読む
12 日 視聴覚短期隊員の要請により、獣医短期隊員の活動取材を目的に、キボガへ出張。松波くん、視聴覚隊員の村井くん、ロバートおよびモーゼス、研修中の女性スタッフ達と再びフィールドへ出かけ、農場を 2 ヶ所まわった。写真左はカメラに向かって自己紹介をするモーゼス。---> 詳細を読む
22 日
  ~ 24 日
短期隊員の活動視察を目的に、ムバレおよびクミへ出張。最後になってしまったが、今回はムバレを中心に予定を組んだ。23 日、中田さんらムバレチームとフィールドへ出かける。中田さんにとっての最後のサンプリング地は、ナカロケ・サブカウンティー。基本的には 3 日前に行ったツベルクリン検査の判定のみをすることにしていたが、予想外に動物を連れてくる農家が多かったことから、採血と結核検査も実施せざるを得なくなった。---> 詳細を読む
27 日 4 隊員、マケレレ大学獣医学部を訪問。副学部長の Dr. ムアジ に学内を案内していただいた。まずは分子生物学の研究室へ。ここではデンマークのグループと、トリパノゾーマに対するワクチンの開発を進めているという。次はウイルス研究室で、現在改装工事が行われている鳥インフルエンザ・ユニットを見学。アメリカの資金でかなり設備の整ったラボになりそうだ。最後に食品衛生の部屋を見学させていただき、ツアーを終了した。
12 月
3 日
左から小林さん、松波くん、筆者、平野くん、中田さん
協力隊短期派遣獣医隊員 4 名が無事に任期を終えて帰国の途についた。現在ウガンダではエボラ出血熱が広がりを見せている。中田さんが赴任していたムバレでも患者が出て、ムバレ、トロロの隊員はカンパラに引き上げてきた。他の隊員にはいつでも引き上げられるような準備をしておくようにという指令が出ており、獣医の4人は非常に良いタイミングで帰国したといえる。またエボラの他にも、ウガンダ北部で黄熱病が、西北部ではペストが、そしてキボガ近くのホイマではコレラが発生し、伝染病オンパレードの様相を見せてきた。
21 日 ~
1 月 18 日
柏崎長期専門家、健康管理のため一時帰国。
1 月
29 日 今春、横浜で開催されるアフリカ開発会議に係る取材のため、神奈川新聞の記者、神奈川テレビの報道スタッフ、および JICA 横浜職員の計3名がエンテベにあるプロジェクト・サイトを訪れた。
2 月
4 ~ 5 日 3 月に開催予定であるセミナー (サンプリング方法) についての知らせと、今後のプロジェクト活動について意見交換をするために東部へ出張した。ムバレにおいてもクミにおいても、先般実施したブルセラの調査を継続したいという意向が強かった。またセミナーについては、野外における鶏病の類症鑑別法について、要望が上がった。
      ムバレでは Dr. ウェレにお願いしてバイオガス設備を持つ農家 2 軒を視察させていただいた (写真左) 。---> 詳細を読む
7 ~ 8 日 キルフラおよびムピジへ出張。3 月のセミナーと今後の活動内容について協議を行った。今般、キルフラ県には農業省からブルセラ病のワクチンが無料で支給された。それは昨年、短期隊員を中心に実施した疾病調査結果にもとづいて配布されたものであり、獣医事務所の所長は「プロジェクトの成果のひとつである」と強調していた。またムピジ獣医事務所では、ラボに使用予定の部屋の改装がようやく終わったところであり、近々機材・消耗品類を運び込むことになった。また遅れていた疾病調査は 3 月に実施する線で検討中。
15 日 キボガへ出張し、同様にセミナーおよび今後の活動方針について意見交換を行った。
18 日 事務所内における水道管の配管工事を開始するためムピジへ出張。
19 日 ~
3 月 16 日
日本大学生物資源科学部獣医学科病理学研究室の渋谷久准教授が短期専門家として赴任された。これから 4 週間の予定でウガンダに滞在し、エンテベの家畜疾病診断・疫学ラボラトリーにおいて組織病理診断に係る技術移転を行う。---> 詳細を読む

写真左: 技術指導を行う渋谷短期専門家とカウンターパートのミルトン。

3 月
4 日 ムピジ獣医事務所のラボの改装 (壁の塗り替え、水道の配管、棚の取り付け) がようやく終わるということで、機材やら器具、薬品類、消耗品等を積んでムピジまで出かけた。実際、あと一歩のところで終わっていなかったのだが、せっかく出かけたのだからと、血液検査とローズベンガル試験のデモをすることにした。左の写真は事務所近くの牧場で検査材料の血液を採らせてもらっているところである。ムピジでは今月中に 2 泊 3 日のサンプリングを 2 度実施することにしている。
5 ~ 6 日 ラボの修繕費用を渡すためにムバレとクミに出張。せっかくの機会なので協力隊員の中でバイオガス施設に興味を持つ 3 隊員 (大野、間、龍) が同行し、先月筆者が訪問した農家を再び訪問させていただくことにした。ドーム型は以前にも目にしたことがあったらしいが、Mr. Kegere Boniface さん宅の浮上式は 3 人共に初めて見たらしく、興味深そうに色々と質問をしていた。このタイプはコンパクトなのがいい。学校などの公共施設に導入できないものかと可能性を探っているという。
7 ~ 8 日 ムバレ、クミに引き続き、同じくラボの修繕費用を渡すためにキルフラへ出張した。丁度良い機会であるので、ウガンダの現場を見てもらおうと渋谷短期専門家にも同行していただいた。「農家を見学させて欲しい」と申し入れておいたら、いつの間にか問題のある農家でサンプリングを行うことになっており、採血をする羽目になってしまった。写真左はその準備をするエンマと新しいフィールド・アシスタントのシルヴァ。---> 詳細を読む
11 日
  ~ 13 日
5 ヶ所の県獣医事務所スタッフを対象に 3 日間のセミナーを開催した。地方から中央へという検査材料の流れを活発にさせるため、サンプリング法や重要疾病についての講義と解剖法の実習を中心とする内容にした。各県から獣医師および畜産スタッフがそれぞれ 1 名ずつ、計 10 人が参加。最後のバーベキュー・パーティーには局長、コミッショナー、アシスタント・コミッショナーという省の家畜衛生部門の 3 大御所も出席され、活発な意見交換が行われた。---> 詳細を読む
14 日 渋谷短期専門家をマケレレ大学にお連れし、副学長である Dr. ムアジ (写真右端) および病理の担当教授 (写真中央) と意見交換をされた。またあわせて病理研究室と病理解剖施設を見学させていただいた。この研究室には地方からかなりの数のサンプルが送られてくるとのこと。この日も研究室のスタッフはブロック作りに追われている様子であった。2 日以内には結果を出せるとの説明であったが、通常はもう少し時間がかかるだろうと思われる。
14 日 ムピジ出張。ラボの改修がようやく終了し、この日の朝、村落隊員の増井さんが中心となって先に持ち込んだ機材や消耗品類を運び込んでくれた。翌週の月曜からサンプリングを始めるというので、午後、エンテベからムピジへ向かい、顕微鏡と遠心器の使い方を説明した。ウガンダ人スタッフはかなり気合いが入っている様子で 4 人ほど集まっていたが、ちょっと気持ちが先走っているようにも見受けられた。4 月に入ったらもう一度きちんと検査のトレーニングを実施する予定。
17 日
  ~ 21 日
ザンビアで実施されている家畜衛生プロジェクトと、ザンビアの家畜衛生システムの現状を視察するため、またザンビア側家畜衛生関係者との意見交換や交流を目的とし、ウガンダ人スタッフ 2 人と共にザンビアを訪問した。ザンビアにおいてはザンビア大学獣医学部を中心として約 20 年という長きにわたり JICA が協力を実施してきた。その歳月と関係者の努力が大きく実を結んでおり、素晴らしい成果を随所に実感できる訪問となった。---> 詳細を読む

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